サッカーJ1のモンテディオ山形は、7月26日に新潟県新潟市の東北電力ビッグスワンスタジアムでアルビレックス新潟と「天地人ダービー」第2戦を戦いました。日曜日の午後6時からの試合ということでどのくらいの人たちが応援にかけつけるのか不安視されましたが、初の3連勝がかかる試合を目に焼き付けようと、自家用車はもちろん、チーム史上最多となる9つの応援バスツアー、そして首都圏からの新幹線利用などで3,000人前後のサポーターがアウェイの地に乗り込みました。
駐車場からスタジアムに向かう通路に大きな案内板 |
ダフ屋行為・物品販売を厳しく注意する看板も |
スタジアム入り口にも大きな案内板 |
キックターゲットやキックゴルフなどが楽しめます |
午後1時過ぎ、スタジアムに着いてきょろきょろしていると「ごくろうさまです〜。おせっかいかもしれないけど、一度入ると外に出られないから、いちおう屋台もあるんで、今のうちに行くことをオススメしますよ〜。でも、山形さんにはかなわないけどね〜(笑)よかったらどうぞ〜」と新潟サポーターの方が声をかけてくれました。とりあえず、順番待ちの列に荷物を置いて、さっそく散策に…。
夏休み期間に入ったこともあってか、天地人グッズが当たるガラポンがあったり、「かねたん」「けんけんず」など天地人にゆかりのあるキャラクターたちが大集合したりと、スタジアム周辺では午後1時過ぎからさまざまなイベントが催され、まさにお祭り状態! 午後4時の入場開始まで、ずうっ〜と楽しみながら時間を過ごすことができました。
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「アルビレックス新潟プレビュー」の売店 |
グッズ売り場では「三種の神器」も販売 |
屋台村ゾーンもありました |
あちこちのテントから煙が立ち上っています |
黒砂糖から作られたパンみたいなお菓子「ぽっぽ焼き」 |
豚肉が次々と目の前で焼き上げられていきます |
「韓国風豚焼肉」のできあがり |
辛いけどウマい「イイダコの韓国焼」 |
イタリアンメニューが充実の「みかづき」 |
きゅうりやなす漬けなども販売されていました |
「越後もち豚串焼き」の大きな看板 |
テントに「越後もち豚串焼き」の大きな看板を掲げていた「とん八」さん。ほかにも豚肉を扱っているお店がありましたので、新潟には豚肉の食文化が根付いているのかもしれません。 山形名物「いも煮」では内陸地方では牛肉を、庄内地方では豚肉を使いますが、このあたりとの関連性もありそうですね。 |
これが「越後もち豚串焼き」。とってもジューシー。 |
ピリ辛だけどウマい「味噌もつ炒め」 |
お米どころの新潟県は、おせんべいも有名ですよね。アルビレックス新潟のスポンサー、亀田製菓がつくっている「勝ちの種(柿の種)」も販売されていました。 モンテディオ山形でも、スポンサーのでん六が「勝ちピー(柿ピー)」をつくっています。 |
くつろぎながら開場を待つサポーターたち |
カナール水上ステージでの着ボイス収録風景 |
スタジアム周辺は通路も緑地帯も大きなスペースが取られていて、芝生の上にレジャーシートを広げてくつろぐ家族連れやサポーターグループの姿があちこちで見られました。屋台村の裏側、カナール川のほとりには飲食用のテーブルとイスが用意されていて、ビールを飲みながら談笑する人たちもたくさんいました。
その近くでは、新潟サポーターのみなさんが声出し練習する姿が。よく見ると、反対側にはビデオカメラがスタンバイ。携帯サイト「モバイルアルビレックス」向けのコンテンツ、着うた用の音源の公開録音がされていたようです。フロントとサポーターのいい関係が見て取れました。J1に昇格した今シーズン、モンテディオ山形では「スタジアムで聞こえるあの歌の歌詞ってどこかで配ってるの?」という質問が増えてきているようです。ネット上では自サイトやYouTubeなどを使ってサポーターグループが歌詞や音声データを公開していますが、ベガルタ仙台のように試合開始前に電光掲示板でチャント(応援歌)やコールを一通り紹介するとか、携帯向けコンテンツで配信するというのも、「県民総サポーター」を目指す上では1つの手だと思います。
天地人ダービーのスタンプラリーを制覇! |
山形・新潟完全制覇のオリジナル認定証はA4サイズ |
(写真左) (写真右) |
左から「けんけん」「謙信くん」そして「かねたん」 |
ディーオを含めて4人が並び、会場は騒然! |
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左からけんけん、謙信くん、かねたん、こめつぐ君 |
けんけんと謙信くんはNDスタにもやってきました |
キャラクター同士で記念撮影 |
モンテサポ「関東組」のBAD君も頭に「愛」の文字 |
午後4時になって入場開始 |
青色の行列がずら〜と並んでいます |
ビッグスワンスタジアムのピッチ |
ビジター席の上のほうには電光掲示板 |
キャラクターたちは試合前にもまわりました |
アルビレックス新潟とモンテディオ山形の旗 |
試合間近になり、両チームのスターティングメンバーが発表。モンテディオ山形のキャプテン・宮沢克行(みやざわ・かつゆき)選手の名前が呼び上げられると、スタジアム中から大きな拍手が沸き起こりました。宮沢選手はアルビレックス新潟から移籍した選手ですが、「いまでも愛されているんだなぁ〜」としみじみ思いました。 これに対して、モンテディオ山形に以前在籍し、回りまわって今季からアルビレックス新潟で活躍している大島秀夫(おおしま・ひでお)選手に対して、モンテディオ山形サポーターからはブーイング。「愛のある」ブーイングだとは分かっているものの、宮沢選手に対しての大きな拍手のあとだけに、「拍手のほうがかっこいいよなぁ〜」とちょっと残念な気持ちになりました。 |
試合は、現在3位という順位が示すようにアルビレックス新潟のペースで進みましたが、モンテディオ山形は持ち味の堅い守りが十分に機能し、ゴールを許す雰囲気には見えませんでした。後半2分、ゴール前のフリーキックを新潟のマルシオリシャルデス選手に決められ0対1とされましたが、守備をガタガタに崩されてゴールを許した訳ではなかったため「やられた!」という印象はありませんでした。緊急補強したDF西河翔吾(にしかわ・しょうご)選手の活躍がこの日も光り輝いていましたし、時間にまだまだ余裕があったので「少なくとも同点にはできだろうな」という思いで応援を続けました。
アルビレックス新潟対モンテディオ山形 |
試合終了後の得点表示 |
新潟の足が止まり始め、赤星貴文(あかほし・たかふみ)選手、石川竜也(いしかわ・たつや)選手、財前宣之(ざいぜん・のぶゆき)選手がピッチに投入されると、流れはモンテディオ山形へ。そして後半43分、グラウンド中央付近で日本代表FWの矢野貴章(やの・きしょう)選手からMF秋葉勝(あきば・まさる)選手がボールを奪うと、左を駆け上がった財前選手へスルーパス! ボールを受けた財前選手は、ゴール前で駆け引きしていたFW長谷川悠(はせがわ・ゆう)選手へ向けて新潟DFの股を抜く低空クロス! これを長谷川選手がきっちりゴールへ流し込み土壇場で同点ゴール!
その後は完全にモンテディオ山形の押せ押せムードになり、チームチャント「SAMURAI」の「アーレー アーレー 出羽山形 青白の侍よ 共に戦おう」がスタジアム中に響き渡りました。そして、そのままロスタイムも過ぎて試合終了。沈黙に包まれるスタジアムに、モンテディオ山形サポーターたちの歓声がこだましました。
前半の雨と高い湿度で、中からも外からも着ていた服はびしょびしょに…。選手たちも体力的にかなりきつかったと思いますが、最後まで集中を切らさず、1対1の「勝ちに等しい」引き分けに持ち込みました。逆にアルビレックス新潟にとっては負けに等しい引き分けとなったようで、試合終了後に選手があいさつのためピッチをまわると、新潟ゴール裏からは激しいブーイングが起こりました。分からないでもないですが、ちょっと気の毒というか選手たちがかわいそう…。 2時間はかかるんじゃないかと心配された駐車場からの脱出ですが、ピークが過ぎていたのか、午後8時40分ごろに車に戻ると5分程度でスルッと脱出に成功。ただ、車に着くまで見た限りでも「割込みしたもの勝ち!」の無法状態だったので、単に運がよかっただけかもしれません。 |
モンテディオ山形の場合、混雑対策の1つとして屋台村でゆっくり過ごすというのがあります。しかしながら、これは非常にまれなケース、というか、もしかすると他にはないのかもしれません。これまでジュビロ磐田、FC東京、大宮アルディージャ、清水エスパルス、横浜F・マリノスとアウェイ観戦をしてきましたが、試合後もスタジアム周辺でまったり過ごすことができるのは、NDソフトスタジアム山形しかありません。試合に勝っても負けても気持ちよく帰っていただくための「おもてなし」、J1一年生のモンテディオ山形ですが、誇ることのできるポイントを今後も大事にしていきましょう!
- (関連ページ)
- ■天童のニュース:モンテディオ山形
- http://www.ikechang.com/news/montedio.html
- ■モンテディオ山形:アルビレックス新潟戦ゲームレポート(外部サイト)
- http://www.montedio.or.jp/report/report_l0919.htm