天童市が日本一の生産量を誇る洋ナシ「ラ・フランス」が、香港に輸出されます。これは、天童市北西部の成生(なりゅう)地域で活動している果樹農家「天童 成生土づくり研究会」の取り組みで、今回は試験的に300キロが輸出されます。
今後、国際取引が拡大していけば、「日本一の生産量」から「世界一の生産量」として天童のラ・フランスが知られる日も来るかもしれません。
県内屈指のラ・フランス産地である天童市内の生産者グループが、香港での販路開拓を目指し独自にラ・フランスの輸出に取り組む。9日に出荷する予定で、今年は試験的に200キロを輸出する。
このグループは天童市成生地区の「天童 成生土づくり研究会」(押野弘行会長)。ラ・フランスをはじめサクランボやリンゴなどを栽培している20〜70代の果樹生産農家19人で組織している。生産量が過剰気味になり、国内でスムーズに流通できなくなった場合のリスクを極力減らそうと、海外での販路を模索してきた。
初めて農産物を輸出する際に、貿易商社の照会や準備・手続きなどを支援する日本政策金融公庫農林水産事業のトライアル輸出支援事業を県内で初めて活用。同公庫と提携する青森県の商社を通し、5キロ入りと3キロ入りを現地の食品流通会社向けに出荷する。
今年はひょうの被害で例年よりも少なく苦労したというが、会員の間で最低量を確保したという。押野会長は「販路の開拓・拡大は今年だけにとどまらない課題であり、何とか一歩を踏み出したかった。今回の取り組みをきっかけに、長期的な取引につなげていきたい」とし、いずれはサクランボやリンゴなどにも取引が拡大することを期待する。
県国際経済振興機構によると、東根や寒河江などでもラ・フランスの輸出に取り組む民間の生産者グループはあるといい、「こうした前向きな動きがさらに広がってほしい」としている。
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