医療機器や医薬品などの製造販売を手掛けるニプロ株式会社と子会社の株式会社細胞科学研究所は3月6日に山形県庁で記者会見を開き、山形県総合運動公園の南東およそ1.5キロメートルのところに天童市が整備した荒谷西工業団地(あらやにし こうぎょうだんち)へ工場を建設することを発表しました。
計画では、ニプロ株式会社が約2万4千平方メートルの敷地を約3億4800万円で取得し、子会社の株式会社細胞科学研究所が工場を建設することにし、今後の需要に合わせて増設することにしています。
山形新聞:ニプロ子会社の細胞科学研究所 天童に山形工場新設
毎日新聞:細胞科学研究所:天童に新工場建設 培養液需要拡大見込み
河北新報:ニプロ子会社 天童に新工場 16年9月操業へ
荒谷西工業団地の入り口に部分にある日新製薬株式会社荒谷工場
医療機器・医薬品など製造販売のニプロ(大阪市、佐野嘉彦社長)と、子会社で細胞培養液開発・製造の細胞科学研究所(仙台市、伊藤丈洋社長)は6日、天童市の荒谷西工業団地に同研究所の山形工場を新設すると発表した。培養液の生産のほか、試作品の開発など研究拠点としても活用する考え。ニプロが土地を取得し、同研究所が工場を建設。来年9月の操業を目指し、数年後には100人程度の雇用を見込んでいる。
佐野、伊藤の両社長が同日、県庁で会見を開き、明らかにした。同研究所は2001年に設立し、主にがんの免疫治療などで使われる細胞培養液を生産している。従業員は23人で2014年3月期の売上高は4億7千万円。細胞培養液が必須とされる再生・細胞医療分野は、iPS細胞の発見などで急成長が見込まれている。新工場の建設は、増大する需要に対応することなどが狙い。
新工場は鉄骨平屋で建築面積約1700平方メートル。医薬品などの製造品質管理基準「GMP」に対応した施設とする計画。培養液の生産能力は本社仙台工場の年間6万リットルに対し、山形工場は20年度に年間20万〜40万リットルを見込んでいる。当初は新規採用10人程度を含む20人規模でスタート。工場は今後、需要に合わせて増設する計画で、雇用も拡大する考え。敷地面積は約2万4千平方メートル。土地の取得額は約3億4800万円で、投資総額は「算定中」として現時点で明らかにしていない。
会見で佐野社長は「再生・細胞医療分野は将来的に一つの柱となる医療関連事業と位置付けている」と説明。伊藤社長は天童市に立地した理由について▽交通インフラが整っている▽災害が少ない▽県がバイオ関連産業の誘致に積極的なため、将来的に企業や大学と連携が進めやすい▽労働力の確保がしやすい―の4点を挙げ、「20年度には100人程度の雇用を考えており、大半は地元から採用したい」と語った。
同席した吉村美栄子知事は「本県では医療分野の最先端の取り組みが進んでおり、こうした事業との連携による研究開発の促進にも協力をお願いしたい」、山本信治天童市長は「市の経済発展に貢献すると期待している」と歓迎した。
今回の工場立地により、荒谷西工業団地の分譲率は75.26%となる。
大手医療機器メーカーのニプロ(大阪市)の子会社で、細胞培養液を開発する「細胞科学研究所」(仙台市)が、天童市の荒谷西工業団地に新しい工場を建設することが決まった。2016年9月に操業を始める予定。
新工場の名前は「細胞科学研究所山形工場」。同社は細胞培養や研究に必要な培養液を開発・製造している。細胞培養液は、iPS細胞(人工多能性幹細胞)などで注目される再生医療やバイオ医薬品の開発に不可欠で、今後需要の拡大が見込めるため、天童市に新たに拠点を設ける。
現在、仙台市と秋田県大館市の工場で年間約12リットルの細胞培養液を生産している。新工場では20年度に年間20万〜40万リットルの生産を見込んでいる。
新工場の敷地面積は約2万4000平方メートル。細胞科学研究所の伊藤丈洋社長は天童市を選んだ理由として(1)交通の便が良く、仙台へのアクセスもいい(2)自然災害が少ない(3)県がバイオ関連の企業誘致に積極的(4)天童市の人口増加率から労働力確保が容易――の4点を挙げた。
工場稼働時に約10人、20年度に約100人の雇用を見込んでいる。
医療機器メーカーのニプロは6日、天童市の荒谷西工業団地の土地を取得し、完全子会社の細胞科学研究所(仙台市)が再生医療、細胞医療向け培養液の製造工場を建設すると発表した。ことし秋ごろの着工、2016年9月の操業開始を予定し、20年度には年間20万〜40万リットルの生産量を目指すという。
山形工場は敷地面積約2万4000平方メートル。鉄骨平屋で建築面積1700平方メートルの工場棟を整備し、需要動向を見ながら順次増設する。総投資額は算定中。土地取得費は3億4800万円。当初は地元採用の10人超を含め、20人程度を雇用する。20年度には100人程度に拡大する。
細胞科学研究所によると、培養液製造は本社工場とニプロ大館工場(大館市)で、それぞれ年間6万リットルを生産している。再生医療新法の制定や薬事法改正で、培養液の製造基準が厳しくなり、品質管理された工場が必要になったという。
山形工場では培養液以外にもニプロと共同開発した医薬品の生産を予定する。県内の企業や大学との連携も視野に入れ、工場内に研究、開発の機能を設ける。
山形県庁で記者会見した伊藤丈洋社長は「国内で4兆円の市場形成が予想される再生、細胞医療は培養液が必須の成長分野。需要に対応する製造拠点の整備は急務だった」と語った。
前の日へ... | 今月の見出しへ... | 次の日へ... |