県内屈指の観光地として名高い山寺・立石寺(山形市)と、天童温泉の連携強化を図るための意見交換会が、天童温泉「栄屋ホテル」で開催されました。会議には、山形市と天童市の観光関係者およそ20名が参加し、いままで以上に協力して広域観光に取り組んでいくことが確認されました。
松尾芭蕉が「閑さや岩にしみ入る蝉の声」と詠んだことで知られる山寺・立石寺は、行政区域としては山形市に属していますが、天童温泉は車で14分ほど(9キロ弱)の距離にあり、昔から山寺観光の拠点として利用されてきました。
近い距離にある観光名所の山寺(山形市)と天童温泉(天童市)の連携を深めようと、双方の行政、観光団体の代表らによる意見交換会が11日、天童市の栄屋ホテルで開かれた。ライトアップを活用した山寺の誘客策や二次交通の充実などについて話し合い、行政の枠を超えた広域観光を展開していくことを確認した。
関係者約20人が出席。天童温泉協同組合の山口敦史理事長は「宿泊者の多くは山寺観光が目的で、今後の協力が不可欠」とあいさつ。山寺観光協会副会長で立石寺の清原正田住職は「山寺は通年で観光客を集めており、両者の連携は強い発信力になる」と話した。
山寺で行っているライトアップでは、天童温泉の旅館が連携してツアーバスを運行中。温泉側からは「夕食後の出発に合わせ、ライトアップの時間を延長してほしい」「清原住職の説法が特に好評なので、さらに力を借りたい」などの意見が出された。ライトアップに関して「規模が小さい」「周辺の店が開いていない」「(その時間帯に)山に登れない」との指摘もあった。
二次交通として天童と山寺を結ぶ無料バス「観光駅馬車」について、山寺川から「平日を含めた毎日の運行をお願いしたい」と要望があった。
山形市観光物産かの鈴木悦子課長は山形、上山、天童の3市で組織しているDMO(観光地域づくり推進法人)の動きに連動して、天童と山寺の広域観光をアピールする案を紹介。県観光産業振興議員連盟の矢吹栄修県議は、県が世界遺産への登録を目指した最上川の文化的景観と絡めながら「山寺の精神文化、景観で世界遺産への登録を目指してはどうか」とのアイデアを披露した。
前の日へ... | 今月の見出しへ... | 次の日へ... |