東北パイオニアの子会社で自動車の組立・検査ライン等の機械を製造している東北パイオニアEG社が、山形県内で初めて、厚生労働省のユースエール認定を受けました。ユースエール認定制度(若者雇用促進法に基づく認定制度)は、若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業を厚生労働大臣が認定する制度です。
高校卒業後、仙台市や東京などの大都市への若者の流出が相次いでいて、県内企業への定着が課題になっています。こうした中で、若者を積極的に雇用し、育成にも力を入れている企業を国が認定するユースエール認定企業に、天童市にある会社が県内で初めて認定されました。
ユースエール認定制度は、去年施行された若者雇用促進法に基づいて、若者の採用や育成に積極的であることなど、12の基準を満たした中小企業を厚生労働大臣が認定する制度です。
自動車部品などをつくる設備の製造などを行う、天童市の東北パイオニアEG社が県内で初めて認定され、山形労働局で相浦亮司(あいうら りょうじ)局長が宗田平吉(むねた へいきち)代表取締役社長に通知書を手渡しました。
山形労働局によりますと、この会社は、この3年間に新卒採用で就職した人の離職率が16.7%と低いことや、この3年間で出産した女性社員全員が育児休暇を取得したことなどが評価されたということです。
ユースエール制度で、これまで全国で83社が選ばれていますが、県内で認定されるのは初めてです。
東北パイオニアEG社は、天童市に本社を置く東北パイオニアの子会社で、従業員は270人です。会社は、若者に働き続けてもらうため、新卒者が製造や営業などさまざまな部門を経験して適性を考えてもらう実習制度や、育児休暇から職場に復帰した際も、短時間勤務を行い子育てと仕事を両立できる制度の運用に力を入れているということです。
今年、新卒採用で入社し、事務や設計などを担当する志田夏実(しだ なつみ)さんです。
山形労働局のまとめによりますと、来年の春に就職を希望する県内の高校生に対する企業の求人倍率は、8月末時点で2.24倍と、統計を取り始めた平成7年度以降、最高となっています。ただ、就職を希望する2708人の生徒のうち県内企業に就職を希望するのは616人と、全体のおよそ22%を占め、依然として東京や仙台などの大都市への若者の流出が続いています。
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