最年少の将棋のプロ棋士・藤井聡太(ふじい・そうた)四段の大活躍で、「将棋のふるさと」山形県天童市への注目が集まっています。全国トップクラスを誇る天童市の「ふるさと納税」でも将棋駒の取り扱いが増えていますが、将棋を習おうとする小学生も増えているようです。
日本将棋連盟天童支部を中心に、関係者のあいだでは「将棋のまち天童から名人を!!」をスローガンに普及活動に取り組んでいます。将棋を指す子どもたちが増えることでレベルが上がり、悲願である「名人」の輩出に近づけると期待しています。
最年少プロ棋士、藤井聡太四段(15)の活躍で、将棋のまち・天童市に拠点を置く日本将棋連盟天童支部の会員がグッと伸びている。26日現在220人を数え、かつて日本一を誇ったレベルに迫る勢い。原動力は第二の藤井四段を夢見る小学生たちだ。土曜日の少年少女将棋教室は飽和状態で、9月9日から開校時間帯を拡大して会員増に対応する。
人気将棋漫画「3月のライオン」効果で会員は増改傾向にあったが、藤井パワーは絶大だ。最多の29連勝を達成した6月下旬以降で40人以上増えた。「夏休み中は毎週数人が入会し、教室を見学に来る子も。まだまだ伸びる余地はある」と大泉義美会長はみる。
少年少女教室が開かれるJR天童駅ビルの将棋交流室。土曜は6クラスに分かれて棋力を磨いているが、初心者(10級)と初級者(8〜9級)クラスの時間帯はごった返す。
対局はフロア、畳で計60人が精いっぱいで、約30人の小学生に加え送迎の保護者、スタッフも加えると入りきらない。開校を1時間早め、初心者と初級の時間を分けることにした。
年40回を超えるプロ指導が教室の売りだ。去年の全国中学生大会で優勝者を輩出、今年も県代表5人はいずれも同教室の生徒で、着実に実績を上げている。今月入った天童南部小1年斎藤嵩君(7)は年上を相手に寄せきり得意げだ。母親の朋子さん(34)は藤井四段の影響でさらに興味を持つようになったといい「将棋だと1時間集中していられる。プロになりたいなんて言ってます」と笑う。
会員数日本一は1997年度から11年連続で、将棋のまちにふさわしい称号だった。しかし、ここ10年は低迷続き。設立50周年に合わせて増強に取り組んだ2013年度を除き200人を割り込み、3〜4位が定位置になっていた。
藤井効果はいつまで続くのか。ブームの終わりを気に掛ける支部関係者は多い。「悲願のプロ誕生には裾野の拡大が欠かせない」。小学校や公民館のクラブ指導、幼稚園への出前にも取り組んできた大泉会長は、追い風を生かした次の一手を思案中だ。
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