7月28日(火)の大雨により中山町にある三郷堰土地改良区の揚水機場が水没し、寺津(てらづ)・蔵増(くらぞう)・高擶(たかだま)地域の田んぼに水をかけることができなくなってしまいました。そこで、管轄する三郷堰(さんごうぜき)土地改良区では、水をかける田んぼを順番にまわしていく「番水」(ばんすい)で対応していくことにしました。
7月28日(火)の大雨では、午後3時30分には成生地区(大町)と蔵増地区(蔵増南、蔵増北、高野辺、窪野目、蔵増中)、午後5時30分には寺津地区(寺津、藤内新田)に避難勧告が発令されました。その後、最上川の水位が上昇に伴い支流の水門を閉めたため、寺津地域では都川(みやこがわ)、蔵増地域では樽川(たるかわ)により内水被害が発生しました。
そんな都川(みやこがわ)ですが、今回は田んぼを守るための貴重な水源の1つとして常時ポンプで水を汲み上げられ、地域の田んぼに水を供給しています。
都川をせき止めてポンプアップし、田んぼに水を供給しています
あちこちでポンプをつないで、田んぼの用水路に水を流しています
田んぼのところどころに、ポンプ用の発電機が設置されています
農道を掘って水路を繋ぎ変えて水のやりくりをしています
本県を襲った7月の記録的大雨で、最上川の中山揚水機場(中山町長崎)が損壊し、天童市内3地区の水田約500ヘクタールに対する水の供給が停止している。8月は大量の水を必要とする時期で、施設を管理する同市の三郷堰(さんごうぜき)土地改良区(桜井政登理事長)は8日、農家や関係機関の協力で順番に水を配る「番水」の体制を組み、緊急対応を始めた。
同土地改良区によると、中山揚水機場は最上川から取水し、最大揚水量は毎秒1.135立方メートル。三郷堰水管橋を通って高擶、蔵増、寺津の3地区の水田地帯で利用される。近年も2回、大雨の被害を受けたが、ポンプのみの被害だったため数週間で復旧した。しかし、今回の豪雨では水位が敷地内の1.5メートルの高さまで上がり、室内は床上浸水。高圧受電設備なども被災したことで、年内の復旧にめどが立たなくなった。
この影響で3地区の水田のうち、約200ヘクタールは完全に水が回らなくなり、残る約300ヘクタールも供給量が激減した。出穂のこの時期は、水の出し入れを繰り返す必要があるため、同土地改良区には「もっと水がほしい」といった農家の不安の声が寄せられた。
このため同土地改良区は番水体制を構築。都川など域内の小河川や排水路の水を利用することとし、管轄が接する天童土地改良区にも協力を仰いだ。これによって正常時の3割ほどの水量を確保し、一帯を7区画に分けて4、5日に1回、順番に水がかかるようにした。10台ほどの小型ポンプを各所に仮設し、8日に番水をスタートさせた。
同土地改良区の星野高宏事務局長は「この大雨を前にして揚水機場を守る水防訓練も(避難指示が出て)生かせなかった。水を分け合いながら8月を何とか乗り切るために、みんなで頑張っていきたい」と語っていた。
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