JR天童駅1階にある天童市将棋資料館では、藤井聡太(ふじい そうた)二冠が伝統工芸士 故・村川邦次郎(むらかわ くにじろう)氏・雅号「秀峰」(しゅうほう)に贈った四段時代の色紙を展示しています。きょう10月1日からは、GoToトラベルに東京発着が追加されました。ぜひ「将棋のまち」山形県天童市の天童温泉へ羽を伸ばしにお越しください。
2020年10月11日加筆
天童市将棋資料館の中は「写真撮影禁止」です。こちらの写真はPR用のものですのでご留意ください。
将棋界史上最年少二冠となった藤井聡太王位・棋聖(18)の色紙が、天童市将棋資料館に展示されている。雅号「秀峰」として駒作り一筋に歩んだ故・村川邦次郎さん(71歳で死去、村山市楯岡大沢川)に贈られた2枚で、村川さん家族から貸し出された。したためられた「強くなる」には、藤井二冠と村川さんの思いがこもる。
村川さんは晩年、余命が限られた病身でも駒を作った。2017年6月の竜王戦決勝トーナメントでその駒が用いられ、藤井二冠(当時四段)は公式戦29連勝の新記録を達成した。その後、村川さんが病床に伏せたことから、藤井二冠の師匠で交流のあった杉本昌隆八段(同七段)を介して色紙は贈られた。
2枚の色紙には「強くなる」の言葉と、詰め将棋「二十一手詰」の盤面が書かれている。村川さんは常にベッドのそばに置き、「藤井さんはもっと強くなる。自分も病気と闘う」と言って、最後まで意志を強く持って闘病生活を送った。17年11月に他界した後は遺影のそばに置かれていた。藤井二冠はその後、色紙の言葉通り活躍を続ける。
二冠達成を記念した展示を行おうと、将棋資料館は先月、村川さん家族に依頼し、快諾を得た。妻美知子さん(72)は「主人はこれに勇気づけられたことから、多くの人にも見てもらい、その人たちの力になったら喜ぶと思う。棋士を志す子どもたちの励みにもなればいい」と語っていた。展示は先月29日に始まり、隣接する将棋交流室に通う子どもたちも目にしている。
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