天童市のプロ棋士育成教室に通っている黒沼亮人(ゆきと)さんが、プロへの登竜門である奨励会への入会を果たしました。天童は将棋駒の生産では全国的に有名ですが、将棋を指すほうではまだプロ棋士がいません。天童駅の2階には、将棋に関わる方々の目標でもありスローガンでもある「将棋のまち天童から名人を!!」の横断幕が掲げられています。
プロ棋士を養成する日本将棋連盟(日将連)の奨励会の入会試験で、東根市東根中部小6年の黒沼亮人(ゆきと)君(12)=東根市中央2丁目=が21日、合格内定を得た。本県からの合格者は4年ぶり。「まだ実感が湧かない。まずは昇級、そして最終目標のプロを目指したい」と意気込みを語る。
試験は19~21日、東京の将棋会館で行われた。黒沼君は初挑戦で、受験者同士の対局で争われる1次試験を4勝2敗でクリア。2次試験は級位を持つ奨励会員との3番勝負で1勝するのが条件だったが、2人目の相手に勝利した。筆記や面接も含めた合格通知が近く郵送される。
試験を振り返り黒沼君は「最初から黒星スタートだったので不安もあったけれど、最後まで諦めずに指し続けたことが結果につながった」と語る。父好和(よしかず)さん(54)は「これまで結果が出せず、悔しい思いを続けてきたことが、今回の頑張りにつながったと思う。これからが本番。家族みんなで見守り続けたい」と話した。9月から月2回、将棋会館に通って腕を磨く。
黒沼君は四間飛車党で粘り強い棋風が特徴。幼稚園年中で将棋を始め、小学2年から天童少年少女将棋教室に通っている。将棋のまちからプロ棋士を輩出しようと天童市が2019年に始めた「プロ棋士育成教室」の1期生で、奨励会合格者は黒沼君が初めて。
育成教室の運営を担う日将連天童支部の村岡良雄支部長は「熊坂学五段の指導もあるが、それ以上に本人の努力がなければ達成できなかった。黒沼君の頑張りを褒めたい。来年以降も合格者が続くと期待している」と語った。
本県出身の現役プロ棋士は阿部健治郎七段(酒田市出身)と岡部怜央(れお)四段(鶴岡市出身)の2人。奨励会には2級の高橋大輝さん(天童高3年)が通っている。
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