優れた都市景観を形成している地区を表彰する2024年度の都市景観大賞が4日発表され、天童市の天童温泉街地区が、都市空間部門で最高賞の大賞(国土交通大臣賞)に選ばれた。景観づくりの約束事「デザインコード」を独自に設定し、天童らしい独自性を保ちながらも、調和の取れた街並みを形成している点が評価された。同部門での大賞受賞は、14年度の鶴岡公園周辺地区(鶴岡市)に次いで県内2例目。
天童温泉街地区は、市の中央に位置する舞鶴山の麓に広がるエリア。誰もが利用しやすい「ユニバーサルデザイン(UD)」を軸に魅力アップを図ろうと近年、国の補助金を活用しながら各旅館や飲食店、観光施設が改修を進めている。
地域全体が統一感を持った景観となるよう、天童温泉協同組合が自主的にデザインコードを設定し、共通の色や素材、植栽を使用した街並みづくりも展開。同組合が21年、市の協力を得て整備した「10号源泉・温泉櫓(やぐら)」は、温泉街の散策拠点として親しまれている。
同組合の山口敦史理事長(52)は「大変驚いているというのが率直な感想。今後とも官民一体となり、誰もが利用しやすく、居心地のよいまちづくりを進めていきたい」と話した。
都市景観大賞は、良好な都市景観の形成を推進しようと、「都市景観の日」実行委員会が主催している。
天童市の天童温泉協同組合(山口敦史理事長)のメンバーらが4日、同温泉の10号源泉・温泉櫓(やぐら)前にあるミニ田んぼで稲刈りを行った。
1911(明治44)年にランボから温泉が湧き出た開湯当時の様子を再現しようと、2021年から毎年行っている。6月に植えたもち米の苗約千株は黄金色の穂を付け、各温泉旅館の関係者11人が鎌を使って手際よく刈り取った。天童の観光を盛り上げようと、市商工観光課職員も手伝った。8日に温泉神社で行われる秋の例大祭で奉納し、来年1月の新年会で関係者に餅にして振る舞う。
同組合の山口理事長は「天童温泉を訪れる国内外の観光客は増加傾向にある。稲が実るように、この調子で温泉街全体が活性化していければと思う」と話した。
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