東北地方で唯一、釣鐘の梵鐘(ぼんしょう)を製造している天童市の渡辺梵鐘が、8月11日から山形市の山形県村山総合支庁で作品展示会を始めました。これはお盆の時期に合わせて企画されたもので、8月29日まで、家庭内で本物の音色を楽しめる新商品の小型梵鐘や、茶釜、花瓶、半鐘などの鋳物製品が展示されています。
小型梵鐘は「心を和ます鐘の音を自宅で楽しみたい」という要望から開発されたもので、高さはおよそ20センチ、お値段は20万円前後です。山形市役所にある千年和鐘や、源平合戦の那須与一(なすのよいち)にゆかりのある玄性寺の鐘などが忠実に再現されていて、社長の菅江浩二さんは「鐘の厚さを聴視しながら、余韻の響かせ方を工夫した」とコメントしています。
渡辺梵鐘では、高い鋳物技術を活用した卓上調理器具などの開発も進めていて、村山総合支庁の補助事業として今年度中に試作品を仕上げる予定です。
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- ■天童のニュース:商工業
- http://www.ikechang.com/news/news150.htm
(2008年9月22日加筆)
9月21日の山形新聞に紹介記事が掲載されました。武田一馬くんは「優勝できなかったのは悔しいが、自分の力を出せた。中学でも全国大会を目指したい」、佐藤大透くんと長沼康大くんは「準優勝はうれしさと悔しさが半々。来年こそは優勝を目指す。」とコメントしています。
「第4回文部科学大臣杯小・中学校将棋団体戦」の全国大会が、8月11日に東京・丸の内の東京国際フォーラムで行われました。この大会は産経新聞社と日本将棋連盟の主催で開催されているもので、同じ学校に通う生徒3人でチームを組んで戦います。7月30日の東日本大会を勝ち進んだ山形県代表の天童市立天童北部小学校チーム(大将:武田一馬くん6年、 副将:佐藤大透(やまと)くん5年、 先鋒:長沼康大(やすひろ)くん4年)は、初戦で兵庫県代表の明石市立江井島小学校を3対0で破り、続く決勝戦で愛媛県代表の松山市立双葉小学校チーム(大将:藤岡隼太くん5年、副将:山根ことみさん5年、先鋒:松坂燿一郎くん4年)と対戦しましたが、1対2で惜しくも準優勝となりました。
双葉小学校チームの大将・藤岡隼太くんは2008年度「JT将棋日本シリーズ中国こども大会」の高学年の部で優勝、副将の山根ことみさんは日本女子プロ将棋協会「第2回小学生女流将棋名人戦」で四国ブロック代表、先鋒の長沼康大くんは日本将棋連盟「第7回将棋教室対抗戦」で優勝チームの一員として活躍しています。そんな強豪たちを相手に、JR天童駅前の天童市将棋交流室や市立天童北部公民館での将棋教室で切磋琢磨してきた天童の子どもたちが、全国大会で大活躍してきたことは大変すばらしいことです。念願の「天童からプロ棋士を」という目標に、一歩ずつ近づいているように思います。
日本将棋連盟の米長邦雄(よねなが・くにお)会長は「勝者と敗者の実力差はほとんどありません。頂点に立った優勝チームはその重みをぜひ後輩に引き継いでほしい」と大会を総評しています。
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- ■天童のニュース:将棋
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- ■日本将棋連盟:文部科学大臣杯 小・中学校将棋団体戦(外部サイト)
- http://www.shogi.or.jp/taikai/shou_chuu_dantai/main.html
山形県工業技術センターと天童市のエムテックスマツムラが、東北大学や電子部品メーカーなどと共同で、非球面ガラスレンズの成形装置の開発をはじめました。高精度の非球面ガラスレンズは、デジタルカメラや携帯電話などの需要が一段落してきている一方、自動車のバックモニターや駐車時に周辺確認を行う小型カメラでの需要拡大が期待されています。宮城県へトヨタ系列の工場が移転してくるなど東北地区での発展が期待される自動車産業に、山形県と宮城県の産学官が連携して参入を目指すことになります。
<非球面ガラスレンズ成形装置の開発における役割分担>
企業名等 |
役割 |
エムテックスマツムラ、東芝機械(静岡県) |
製造装置の開発 |
山形県工業技術センター |
超精密加工技術による金型の高精度化と長寿命化 |
東北大学 |
成形技術の評価 |
アルプス電気(東京都) |
量産装置の試作 |
非球面ガラスレンズは、一般的には素材のガラス晶材を金型ではさむプレス成形で作られます。およそ500度に加熱した素材をプレス機で成形し、冷めてから取り出すため、生産効率は高くありません。今回の研究では、プレス成形の前工程として、あらかじめ素材を温める予熱機能と成形後の冷却機能を設けます。そして、温度管理を一連の流れとして製造装置に組み入れることで、高速稼働を図り、レンズ1個当たりの製造所要時間を現状の5分の1程度まで短縮、さらに、金型の耐久性向上やレンズの小型化も行います。
今回の研究は経済産業省の支援事業に採択されており、3年後の事業化を目指します。また、研究成果を長井市のマーク社などレンズ成形の他の企業にも波及することで、東北地方における超精密非球面加工技術の発展と地域企業の受注拡大に結び付けていく計画です。
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