最上三十三観音の第1番札所で、去年、開山1300年を迎えた天童市の鈴立山若松寺(れいりゅうざんじゃくしょうじ)で、2月1日に「鬼やらい」が行われました。これは、下界から追い払われた鬼や心の中の鬼たちを集めて改心させるという全国でも珍しい伝統行事です。
鬼やらいは、一般的には豆をまいて鬼を追い払う節分の行事です。しかし、若松寺の鬼やらいは、豆をまかずに法要で鬼たちの心を入れ替えさせる儀式として奈良時代ころから行われていて、年始の法会(ほうえ)「修正会(しゅしょうえ)」が行われる旧暦の正月7日の伝統行事になっています。
この日は、国指定重要文化財の観音堂で、牛王(ごおう)作法と呼ばれる儀式が行われました。まず、氏家栄脩(うじいええいしゅう)住職をはじめ若松寺の僧侶らがおよそ1時間にわたって読経をし、鬼たちを本尊の聖観世音菩薩(ぼさつ)の前でざんげさせました。そして、オニグルミの木の先端に円すい状の牛王加持印や餅を挟んだ牛王木で、天地、四方を突き、かねや太鼓を打ち鳴らして参詣者たちの無病息災や諸願成就を祈願しました。
その後、牛王印を体に押し当てて、心の中の迷いや体の苦痛などが消え去るように願う加持祈祷が行われました。参詣者たちは、頭や胸、腰など具合の悪いところ・厄を払いたいところに押してもらうため、僧侶の前に長い列をつくりました。
- (関連ページ)
- ■天童のニュース:観光施設・文化財
- http://www.ikechang.com/news/news910.htm
- ■鈴立山若松寺(若松観音)
- http://www.ikechang.com/navi3.htm