東日本大震災を受けて、天童桜まつりをはじめ各地のイベントの中止が相次いで発表されています。日本全国に自粛ムードが広がるなか、地元・天童温泉にも多大なるダメージを与えている様子が、3月31日のNHK山形ニュースで放送されました。取材に応じていたのは「檜風呂の宿つるや」の女将・松田琴(まつだ・こと)さんです。以下、ニュース映像の紹介です。
「新幹線再開も深まる苦悩」
- 山田朋生(やまだ・ともき)アナウンサー
- 山形新幹線が福島と新庄とのあいだで運転を再開したにもかかわらず、県内では、先行きの不安をぬぐいきれず、むしろ苦悩を深めている人もいます。中島良美(なかしま・よしみ)記者の報告です。
- 中島良美(なかしま・よしみ)記者
- 天童市の温泉街にある創業90年以上になる温泉旅館です。大震災のあと利用客がとだえ、先の3連休も含めて、宿泊客はほとどんと訪れませんでした。
- 松田琴(まつだ・こと)さん
- 「地震以前にご予約いただいたお客さんはほとんどキャンセルですね。99%。」
- 中島記者
- さらにキャンセルは4月以降、大型連休中の予約にも及んでいます。およそ3週間ぶりの山形新幹線の運転再開も、お上の松田琴さんは手放しで喜べないといいます。
- 松田琴さん
- 「新幹線が復旧すれば、また、気持ちも変わるのかなと思うんですけれども、福島の原発なり、旅行しようという気分をなえさせているのかなと思いますけれども。」
- 中島記者
- この旅館では、すでに5人のパート従業員を自宅待機させています。一方で、県の呼びかけを受けて大地震で被災した宮城や福島の人たち30人の受け入れを申し出ました。しかし、自治体が提示した料金は1泊3食付で5,000円。被災者のためとは思っても、従業員の給料がこのままでは支払えなくなるのではないかと、松田さんは不安を募らせています。
- 松田琴さん
- 「5,000円ですと、食材と光熱費だけで、もうトントンですので。銀行さんに援助していただいて、今月はなんとかしのげましたけれども。来月から、また、今よりもっと厳しくなるんじゃないかと思うんですよね。」
- 中島記者
- 一世紀近い歴史がある老舗の旅館の暖簾(のれん)。松田さんは、だからこそ投げ出せないと考えています。
- 松田琴さん
- 「次の世代にバトンタッチするまでなんとかがんばってこようって、厳しい時代でもありましたからね、いたんですけれども、それに輪をかけてこの震災ですので。まぁ、ただならぬ踏ん張りが必要なんだなって、実感してます。」
(NHK山形ニュース2011年3月31日より)
- (関連ページ)
- ■天童のニュース:天童温泉
- http://www.ikechang.com/news/news970.htm
- ■天童のニュース:東日本大震災・地震
- http://www.ikechang.com/news/earthquake.html
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