6月11日に行われた天童市議会6月定例会「市政に対する一般質問」において、芳賀土地区画整理事業地内(天童芳賀タウン地内)に天童市が設置を要望しているJR新駅、そして区画整理事業地内に出店を予定しているイオンの状況について、民主市民クラブの海鋒孝志(かいほこ・たかし)議員が質問しました。
山本信治(やまもと・しんじ)天童市長は
2番手を賜りました海鋒孝志でございます。3月定例会、久しぶりの市議会でございました。一般質問にも非常に年甲斐もなく気合が入りすぎまして、質問項目も欲張ったところでございましたが、言葉にも表れまして「山本市長にエールを送った」という新聞記事になったぐらいでございました。市民からは「いつから芳賀関連事業の推進派になったのか」という声もいただいたところでございまいした。
わたしは先の市長選挙の争点でもございましたが、巨額の貴重な税金を投じる事業でございますから、今となっては、将来「あの事業は失敗だった」ということは許されない、そんな大きな責任と義務があるということを市長や職員の皆さま方、そして、ともに責任を持つ議員各位にしっかりと理解していただく必要があるという思いの言葉でございました。けっして市長選で敗れたこだわりや怨念ではございません。立場が変わっても天童市を愛するという思いでの発言であることをご理解いただきたいと思います。
言い訳がましいことはやめにいたしまして、今回は、既定路線だったと思いますが、「市長3選」という記事が先週末に山新(=山形新聞)に掲載されました。
(以下、略)
次に芳賀の新駅、大型商業施設の進捗状況について伺います。新駅については、先の経済建設常任委員会で総費用が以前の報告とおなじ5億円弱、4億4、5000万円だったと思います。報告がございました。JRの最終決定を期待していた訳でございますが、至っていないようであります。
県議会の行政視察で天童の芳賀土地区画整理事業組合に視察に行かれたということが、森谷県議の議会報告に出ておりました。それによれば、8haのイオンの土地契約が結ばれたという風に書いてございました。いろいろまだ換地の部分とか問題で、全部の適用というか契約には至っていないということも聞いておりますが、この芳賀区画整理事業についてはその県議も申しておりました「天童市の命運がかかっている」ということでございます。成功を期するための隠し玉であったハズでございます。そして秘策でもあったと思います。
その新駅構想と大型商業施設の動向には多くの市民が注目をしております。区画整理組合の事業ではあるものの、最大限の支援をするという風にお約束をしている市の責任として、しっかりとその状況を把握をして、議会を通じて市民への責任のなかで随時情報提供する義務がある、と考えております。同事業の進捗状況についてお伺いいたします。
また、芳賀地区の埋め立ての雨水対策といたしまして、雨水調整池設置計画がございました。1万2000平米でしたか、それの倍以上の計画が今回新たに示されまして、区域外に土地を求めて貯水容量も増やすと、いう変更が今回ございました。報告がございました。当初計画がこれは甘かったのか、それとも失敗だったのか、その経過と理由についてお示しをいただきたいと思います。
芳賀の土地区画整理事業は28年度でしたか、完成を、1300戸の住宅が建設され、そして4000人がその地区に定住をするという計画でございます。山形市など周辺の他市では保留地処分が順調でないようにも聞いております。人口計画どおりに進んだ場合、固定資産税やら市民税、住民税も大変期待をされるわけでございますが、投資額と税収の試算のもくろみ等ももちろんあるかと思いますので、ぜひお示しをいただきたいと思います。計画が達成されたのち、天童市は大きく街並みが変わるという風に考えます。天童市の将来のまちの姿をどのように描いているのかについても、合わせて市長のビジョンをお示しいただきたいと思います。
次に、芳賀土地区画整理事業について申し上げます。
新駅構想につきましては、昨年度、基本計画調査をJR東日本仙台支社に委託し、3月末に成果品を受領いたしました。調査の結果、要望箇所に新駅を整備することは技術的に可能であるとの判断が示されております。新駅設置が実現するためには、JRが駅を新設すると決断したあと、国土交通大臣の認可が必要となります。公共交通網の充実という観点から県にも概要を説明し、要望活動の後押しをしていただいているところであります。新駅設置については早期に決断していただけるよう、引き続きJRと協議を進めてまいります。
大型商業施設につきましては、出店を予定しておりますイオンモール株式会社と芳賀土地区画整理組合との間で、保留地売買の契約が本年3月末に締結され、また、仮換地の部分についても各地権者と賃貸借契約を結んだと伺っております。イオンモール株式会社では芳賀地区を「全国の出店候補の1つ」として位置付けており、現在は出店時期についての区画整理組合と協議を行っていると伺っております。
区域外への調整池拡大につきましては、芳賀地区と長岡地区の雨水を受け入れるための防水調整池(→防災調整池?)を、天童市が実施主体となり芳賀地区の西側に整備しようとするものであります。芳賀地区には天童南部地区や長岡地区の雨水が流入しておりますが、区画整理事業で整備する調整池は区域内の雨水に限ることとされておりますので、開発前と同様に、そのまま倉津川へ流す計画としておりました。しかしながら、東日本大震災の発生以後、行政として災害に対するリスク管理が重要な課題となっております。市民の関心も非常に高くなっております。災害の少なかった本市においても、昨今の異常気象によりたびたび大雨に見舞われ、床下浸水や河川の増大など、水害の発生が懸念される箇所が見受けられます。このようなことから、天童市全体の雨水排水計画を見直し、整備を予定している芳賀地区の調整池を再検討することとしたものです。
芳賀地区における将来的な市の税収につきましては、土地区画整理事業が始まった平成19年度から平成22年度までの評価額に基づく固定資産税、新たな居住や立地による個人市民税および法人市民税による推計で年約5億円を見込んでおります。本市の市街化率は94パーセントを超えており、市街地にまとまった土地がない状況にあります。芳賀地区は天童市に住みたいという方々の受け皿として、また、働く場所として、さらには週末に家族で楽しみながら過ごすことのできる場所として、魅力ある新たな市街地が形成されるよう進めてまいります。
人口減少社会が続いておりまして、限りあるパイだと思うんです。芳賀のほうに1300戸、4000人の定住人口を持ってくるということについては、大変限りあるパイを奪い合う形になるということでございます。どこの市町村でも工業団地の造成による雇用の促進、各種のイベント、ゆるキャラ、B級グルメ、ブランドつくり、と観光発信を常にやりながら定住作戦に日夜、日本中がしのぎを削っているわけでございます。まさに弱肉強食の自治体間戦国時代だという風に思っておりまして、この施策の展開、戦略が成功した自治体のみが生き残り、あとはさらなる人口減少と過疎が待っていると、こういう時代になってきた。
そんななかでの今の芳賀土地区画整理事業でございますので、いま話がございました駅についても、この前の中間報告書を読ませていただきましたが、まとめとしては非常に分かりにくい言葉でおさめられておりました。市の都市側が行うべき検討課題についても、すでに分譲が開始されている芳賀土地区画整理事業が計画どおりに推進し計画予定の人口を早期達成を図る、と。こういうことが市が行うべきことだということがあります。それから新駅利用者数確保の方策・施策ということもございます。これもいずれも今の段階では想定できないというか大変難しいことだろうと思うんです。で、この駅のほうも当然、あって初めて芳賀の区画整理事業が成功に結び付くという風に思います。
それともう1つ、イオングループの進出でございますが、「候補地の1つ」という風に今おっしゃいました。市民の多くは「もうすでに決定をした」という風に受け止めております。今までのイオンの進出経過なんかを調べてみますと、きちんとした図面が出たあとでも、進出を断念するという状況が全国の各地にも見られます。そういったことを踏まえて、とにかくもうこれを成功しなきゃいけないという前提で、しっかりと交渉なり検討なり進めていただきたいという風に考えております。
それと、天童のまちづくり、その成功した段階で5億円ほどの税収が見込まれるという風なことでございますが、いま天童市は比較的、近隣市町村と比較して恵まれております、財政的に。それから、気候的にも恵まれ、温泉もあり、フルーツもあり、将棋の駒もあり、全国発信できるものが2つ、3つ、間違いなくあると。珍しいところだと思います。で、その地域性を有効に生かすにはあまりにも百花繚乱、いいものばっかりがありすぎて、なんていうか市民全体が、天童市全体が全国発信をしないと生き残れないという危機感、緊迫感が少ないようにわたしは思います。
そういう意味で、いま12月の市長選には対抗馬も無いようでございますので、市長がこれからずっと市政を担っていかれるということで、ことになれば、しっかりとそうした天童市のいまの立ち位置なり、いまの特徴なり、そういったものを内向きのいろんな取り組みだけではなくて、しっかりと天童市民の生活を守ることのほかに、外部に、県外に、全国に発信をできるなにかをつくっていかなければならないのではないかと、いう風に思います。
(以下、略)
最後に、芳賀の新駅の中間報告書が出てまいりました。で、一応理屈としては、こういう要件を満たせばなんとかなるだろう、というのは以前からのおなじ内容だったと思います。これについて、今後どういう進め方をして、いつごろに、区画整理事業完成と同時なのか、そして、そうじゃなくて1300戸の人口が張り付いたあとなのか、どのへんをめどにされているのかをまず1つ。
それと「候補地の1つ」という風になっておりますイオングループの進出でございますが、これも地権者とは契約、合意というものがそれぞれ取られている、というお話でございましたが、イオングループ本体といいますか、進出の計画、これについてはまだ明らかになっていないと思います。これについても、どのへんのところをめどにしているかは、これは「組合のお仕事だ」という風に言われるかも知れませんが、これはあくまでも市のほうで多額の税金を投入しながら積極的に支援をすると、約束をしている天童市としてもしっかりと把握をする必要があると、いう風に思いますので、そのへんのめどについてどういう風にお考えかをお聞かせいただきたいと思います。
次に、芳賀土地区画整理事業について申し上げます。
まず、新駅の設置でございますけれども、今回、調査費つけさせていただいた訳ですが、この新駅が実現するためには先ほど申し上げましたように、まずJRが決断をしていただかなければならない。そのあとにですね、国土交通大臣の認可が必要ということでございます。それで最終的に決定ということになります。いまそのなかで、できるだけ早い時期にそういうことがなされるように、JRと協議を進めていくと、こういうことでございます。
それからイオンの出店の時期でございますけれども、これは当然、組合のほうが進めることでありますけれども、この事業については市も大きく関わっている訳であります。これについては、そういう分かった時期においてはですね、皆さま方にも当然、公表する必要がありますし、そういう時期が当然ありますので、その時はですね議会の皆さん、あるいは市民の皆さんにもお知らせをしてご理解をいただく、こういう形になろうかと思います。
駅についても大型商業施設についても、駅は別にしまして、土地区画整理組合との交渉の段階が分かり次第にご報告をされるということでございますが、あそこが、何回も言いますが、多分あの区画整理事業が成功するための秘策だったと思うんです。で、その秘策が成功するかしないか、先ほども申し上げました、きちんとした図面までできてそれでも進出は中止と、いう事例がございますもんですから、その前の段階で「土地の確保は大丈夫だ」というところまでの時点だということですが、市民は「もう来るんだ」という風に思っている。
ということは、それを正確な情報として伝わっていないということだと思うんですね。そうしたことを早めにアドバルーンを上げて、何と言いますか、これから売り出す分譲地の購入の販促に使っているのかとは思いますが、しっかりとした確固たる事実を早めに、組合にも「どうなってんだ?」と言うぐらいの気持ちでわたしはすべきだろうという風に思います。そうでないと、あの土地区画整理は、前にも申し上げました、嶋の区画整理事業、それからみはらしの丘区画整理事業、東根でもりんご畑に建った新築住宅がローンが払えないで売りに出されているとか、そういう実態がある。たくさん見えているなかでございますので、どうぞあの、芳賀の区画整理事業、それと新駅、これは芳賀との、芳賀の直接市の投資とはまた違う訳でございますが、しっかりとそのへんのところについては市民に状況を把握しながら伝えていっていただきたいという風に考えております。
今回も分かりにくい質問でございましたのでお詫びを申し上げますが、実はわたしは「政治は人である」と。民主党だろうが自民党だろうがほんなの関係ない。「政策はその人の心から出るもんだ」という風に思っておりまして、頭悪い分は誰かから、人から手伝ってもらってしっかりしたものを持っていく、と。「我の考え、自分の考えみな正しい」という考え方ではなくて、そういう考え方もある、という風に思っております。
「3選出馬」既定路線かと思います。そんななかで山本市長は高校の先輩でもございますので、そのへんのところ、わたしも期待をしたいという風に考えております。どうぞあの、市民にしっかりと安心できる、6万市民の期待を一身に背負ってこれからがんばられるおつもりでございましょうから、しっかりとわたくしも見させていただいて、言うべきことはしっかりとお話をさせていただく、という決意でございます。そのことを申し上げましてわたしくの質問を終わります。ありがとうございました。
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