天童市西部の蔵増地区で発見された蔵増宮田遺跡(くらぞうみやたいせき)の発掘調査説明会が、9月22日に発掘現場で開催されました。蔵増宮田遺跡は、天童市と寒河江市を結ぶ主要地方道天童大江線の道路改築事業「蔵増バイパス」の工事で発見されたもので、現場は市立蔵増小学校の南西に位置する田んぼです。
説明会には、地元・蔵増地区の住民や考古学ファンなど数十人が集まり、発掘を担当した山形県埋蔵文化財センターの方からの説明を真剣に聞き入っていました。参加者からは、すぐ南にある西沼田遺跡との関連を尋ねる質問がありましたが、こちらの蔵増宮田遺跡は西沼田遺跡よりも早い時代であるため、直接的な関連はないだろうという回答がありました。ただし、蔵増小学校のすぐ東にある東北中央自動車道の工事の際に発掘された遺跡と時代が近いため、そちらとの関連があるだろうという見方をしていました。
詳しくは、当日配布された資料をご覧下さい。
蔵増宮田遺跡 発掘調査説明会資料(オモテ)(PDF形式 / 1007KB)
蔵増宮田遺跡 発掘調査説明会資料(ウラ)(PDF形式 / 738KB)
現場事務所のすぐとなりからは、古墳時代の川の跡と大きな木々が見つかりました
遺物集中地点には、たくさんの土器のようなものが見て取れました
川跡からは木々が発見され、古墳時代は木々が生い茂っていたことが分かります
参加者は担当者の説明に聞き入っていました
発掘された坏(つき)や鉢(はち)
棒状のものや鍬のようなものなど、多数の木製品が出土しました
発掘された木製皿には、ナイフの引っかき傷のようなものがありました
どのような使われ方をしたのか分からない木製品も発見されました
発掘された甕(かめ)
発掘された甑と勾玉。勾玉は途中まで穴をあけようとした痕跡が見て取れました。
発掘された高坏(たかつき)
発掘された小型土器や小型壷(つぼ)、甑(こしき)
発掘された坏と鉢
発掘された棒状木製品
水につかっていたため、長い年月を経ても痛みが少なかったようです
木製の鍬と思われるもの。右側の先を金属で覆い、左側のくびれたところを柄に縛ったようです。
どのような使われ方をしたのか分からない木製品も見つかりました
発掘された板状木製品。穴が2つ開いているので、紐を通して何かに縛り付けた?
前の日へ... | 今月の見出しへ... | 次の日へ... |