モンテ本拠地移転構想　議会から賛同の声

［山形市長］モンテディオ山形の本拠地となるスタジアムを山形市内に整備することを県知事に提言をしてまいります。

　先週突然、山形市の市川市長の口から飛び出したモンテディオ山形の本拠地移転構想、きょうの市議会でも波紋は広がっています。Jリーグでは、現在、リーグ戦を従来の春秋制から、冬場でも試合を行う秋春制へ移行することが検討されています。このため、冬場でもサッカーができる大型のスタジアムを県と共同で山形市内に建設し、モンテディオ山形の本拠地を天童市から山形市に移転しようというのが今回の構想です。きょうの山形市議会では、スタジアム建設について市長の構想に賛同する声が挙がりました。

［斎藤武弘議員］立地条件の良い、駅西の県有地への建設を検討し、充実した施設内容であることが、地域経済の活性化に膨大であることが優先されます。山形市内のなかで公式戦がされる（＝できる）会場がない、というようなことがよく言われております。やっぱりこれはぜひとも、われわれの子孫のためにもやっていきたいな、とこんなこと思いますし。

　突然のモンテディオ山形本拠地移転構想、市民の反応は。

［女性］たぶん山形市の人もまっすぐ、なんて言うんだろう、応援にいけるというか、ちょっと天童まで遠いですし。

［男性］モンテディオ山形は山形の代表的なチームなんで、山形市にあったほうがいいと思います。

［女性］もともと天童で根付いてきたチームだと思うので、天童の人が、ちょっと、山形にスタジアムができると困るのは分かるんですけど。う〜ん、むずかしいですね。

［女性］財政がよければねぇ、つくってもいいでしょうけど。大変だったら、やっぱし、ねぇ…。う〜ん、どうなんでしょうねぇ。

　賛否両論の今回の構想、まだ動き出したばかりです。

天童市　山本市長「5年以内に新たな駅を建設」

　山形市によるモンテディオ山形本拠地移転構想、本拠地である天童市がきょう午後、会見を開きました。天童市の山本市長、突然のことに戸惑いながらも、5年以内にスタジアムにより近い新しい駅をつくり、利便性の向上を図る考えを明らかにしました。

　山形市、市川市長による突然のモンテディオ本拠地誘致の発言。ホーム天童市、山本市長はなんと答えるのでしょうか。

［天童市長］まったく困惑ということでしょうかねぇ。なんなんだろうという話。えぇ？ということですね。ほんとに、まったく唐突だなぁ、あるいは、わたしの気持ちとしてはほんとに、動揺しました。

　山本市長は、NDソフトスタジアム山形をモンテディオのホームグラウンドとして官民あげて応援してきたとした上で、次のように述べました。

［天童市長］べにばなスポーツパークが将来にわたってモンテディオ山形の本拠地として利用されるよう、21世紀協会や山形県など関係機関と相談、お願いをしながら、天童市として対応してまいりたいと考えております。

　さらに、山本市長は現在のホームスタジアムの利便性向上に向け、新しい駅をつくる構想を明らかにしました。

［天童市長］最も近い場所にですね、最寄り駅として芳賀の新駅の設置をいま私ども考えております。

［TUYアナ］青写真として5年後とか、10年後とか、20年後とか…。

［天童市長］いやいや、もっと近い時間です。

［TUYアナ］5年後より近い時間？

［天童市長］もっと近い時間です。

　山本市長はこのように述べ、今後5年以内にスタジアムから1.6キロ離れた天童市芳賀地区に、JRの最寄り駅をつくり、ファンの利便性向上を図る考えを明らかにしました。完成すれば、現在の最寄り駅・高擶駅より徒歩で7分ほど早くなり、およそ20分でスタジアムに行けるということです。ホーム天童の市民はこの問題、どう見ているのでしょうか？

［男性］いきなり、山形という風なことのようなんですけど、大変びっくりしております。

［男性］天童でいままでなじんだわけですからね、天童のほうがいいんじゃないですかね。

［女性］結局、この場になってなんか、いいときだけ山形に持っていくというような、う〜んちょっと、ちょっとなんか腑に落ちないようなところが…。

　天童市の山本市長は、現時点で山形市と話し合う予定はなく、説明を求めることも考えていないとしています。

［男性アナ］山形市、天童市、いろんな意見がありまして、これからどうなるかというところなんですが、くれぐれもね、感情論での泥仕合とか、政治の駆け引きには使って欲しくないですね。

［女性アナ］そうですね〜。モンテを一番支えているファン、そして選手、関係者のみなさんの気持ちを汲み取って決めて欲しいですね。

「さびしい」「売り上げ減る」モンテ本拠地問題　天童市民は

　山形市の市川昭男市長が打ち出したモンテディオの本拠地誘致につながる構想、もし実現した場合の天童市への影響を懸念する声は、日増しに高まっています。

［天童温泉「ほほえみの宿滝の湯」女将さん］お客様たちが山形に移るっていうことになるわけですよね？　えぇ？って、これは。なんか寝耳に水のことで。

　市川山形市長は今月21日、Jリーグの秋春制に備え、冬でも試合ができるスタジアムを県と共同で山形市内に建設したいなどと発言。モンテディオ山形の本拠地・天童市では、戸惑いや不安、さらに経済への影響を懸念する声が聞かれました。

［女性］やっぱりか、みたいな。やっぱり、山形にもっていかれるのかしら〜って。ねぇ。

［タクシー運転手］（やっぱり売り上げも違いますか、試合のある日とない日で？）ある。だから、わざわざ、サッカーあるときは（駅前に）出てきますね。やっぱり倍ぐらい違うね、普通の日と。

　県スポーツ振興21世紀協会では、モンテディオがJ1に昇格した2009年度、NDソフトスタジアム山形の来場者が20万人を超えるなど、その経済効果は28億4000万円に上ると推計しています。天童市で多くのサポーターを受け入れてきた老舗旅館の女将も、今回のニュースには驚きを隠せません。

［天童温泉「ほほえみの宿滝の湯」女将さん］わたしもびっくりしました。えぇ？そんな話あるの？っていう感じでですね。スタジアムへ、その試合に間に合うようにバスを出して、あと、試合が終わったらお迎えに行ってとか、楽しんでもらえるようにって頑張ってきたわけでしょ。なにも、がむしゃらに反対じゃないんですよ。でも、いませっかくここまであって、どうしてつくらなきゃならないのか、っていう。

［天童市観光物産協会事務局長］天童市からなくなるっていう状態ですと、ホームタウン天童で推進してきたことも、ま、これから検討しなくちゃならないでしょうし。本音で言いますと、ぜひ残っていただきたいなと思っています。

［男性アナ］経済効果も大きいですし、天童市民の方もホントに驚きを隠せないという状況ですよね。

［女性アナ］でも、経済効果以上に、モンテディオが本拠地天童にあることで活気があったと。それがなくなるのが嫌だ〜という声が多かったですね。

「これからも本拠地に」天童市長　新駅建設も発表

　その天童市の山本市長は、きょう緊急の記者会見を開き、NDソフトスタジアムが将来にわたってモンテディオの本拠地として利用されるよう、県や21世紀協会に要請していくと語りました。

［天童市長］べにばなスポーツパークが将来にわたって、モンテディオ山形の本拠地として利用されるよう、21世紀協会や山形県など関係機関と相談、お願いをしながら、天童市として対応してまいりたいと考えております。

　会見で山本市長は、これまでチームを運営する県21世紀協会に多額の財政支援をしていることや、市民が公民館単位で自発的にモンテ応援団を結成している現状を強調しました。そして、引き続き、市民、企業、行政が一体となってチームの支援に努めていくとしています。また、山本市長は土地区画整理事業に伴い、高擶駅と天童駅の間の芳賀地区に新しい駅を建設するよう、JRに要請していることを明らかにしました。これまでスタジアムに一番近い高擶駅からは徒歩で27分ほどですが、新駅の予定地からは20分と、7分短縮の見込みで、サポーターの利便性が高まると説明しています。

　一方で、市川山形市長は市議会で、改めてスタジアムの建設に意欲を示しました。山形市議会3月定例会の一般質問で、市川市長がスタジアムを建設したい意向を示したことについて、議員からは「大きく評価する」「より経済効果を生めるような場所に建設すべきだ」との意見が出ました。

［斎藤武弘議員］立地条件の良い、駅西の県有地への建設を検討し、より多くの市民に親しまれる、充実した施設内容であることが、地域経済の活性化に膨大であることが優先されます。

　市川市長は、現時点で建設場所は白紙とした上で、建設に積極的な姿勢を再度示しました。

［山形市長］今後、日本サッカー協会やJリーグのシーズン制移行の動向を注視をすると共に、情報収集を行いながら、モンテディオ山形の本拠地となるスタジアムを山形市内に整備することを県に提言をしてまいります。

　山形市の市川市長がモンテディオ山形の本拠地誘致を表明したこと受けて、天童市の山本市長が会見を開きました。

［天童市長］官民をあげて応援してきた、と。気持ちとしては、大きな影響はあるんだろうと思いますね。

　山本市長はこれまでの実績を強調した上で、本拠地の継続を県などに働きかけるとしました。また、5年後を目処にスタジアムが近くなる場所に、JR奥羽本線の新たな駅が設置される計画を明らかにし、利便性がよくなることを強調しました。