毎年8月に全日本中学生選抜将棋選手権大会を開催している天童青年会議所が、将棋でギネス世界記録を目指すイベントを10月に計画しています。
天童市は、学校の教科書にも出てくるように「将棋のふるさと」として知られています。しかし、将棋を指せる人たちは年々少なくなっています。また、将棋に対する意識も低下していると言われています。
そこで天童青年会議所では、3400人が一斉に将棋を指すことでギネスブックに載り、掛け替えのない「地域の宝」である将棋を再認識しようと、一大イベントを企画しました。
将棋のまちを世界に発信―。天童青年会議所(山口宰理事長)は、市民ら3400人(1700対局)が一斉に将棋で対局するイベントを10月4日に天童市内で開催する計画を進めている。1か所での同時対局数の世界記録に挑戦する。同氏は国内の将棋駒の約95%を生産しながら、将棋を指せる人の数が減っているのが現状で、世界記録を将棋人口拡大の起爆剤としたい考え。
同時対局数の世界記録は2012年11月に東京ビッグサイトで開催された子ども将棋大会で樹立された3148人による1574局で、ギネス世界記録に初認定された。同会議所将棋のまち創造委員会の押野茂委員長は「当初は千人の対局を想定していたが、どうせなら世界記録を目指すことにした。将棋の聖地・天童で記録を保持することに大きな意義がある」と話す。
一方で、将棋のまち天童にあっても将棋人口の減少は顕著。特に子どもたちの将棋離れに危機感を持った日本将棋連盟天童支部(村岡良雄支部長)が、市内の各小学校に出向いて将棋の出前授業に取り組んでいるが、指導者の確保などの課題があり、裾野を広げる道のりは厳しい。「市民の将棋に対する関心も薄れている」と、押野委員長は指摘する。
イベントは、「イオンモール天童」の東側道路(約400メートル)に約600台のテーブルを並べる。雨天に備えてテントも設営。県のやまがた若者チャレンジ応援事業の助成も決まり、資機材の調達を進めている。
参加資格は将棋の駒を動かせること。市民以外も受け付け、初級、中級、上級に分かれて対局する。参加費は200円。記録達成の際には参加者の名前を記した記念板の作成も検討している。申し込みは同会議所ホームページ (http://www.tendojc.com/) で9月20日まで。
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