成形合板の技術を日本で初めて活用した、高級家具の製作で知られる天童市の天童木工が、木に関する優れた製品や取り組み、技術を表彰する「ウッドデザイン賞」で優秀賞に輝きました。表彰式は、12月8日から10日まで東京ビッグサイトで開催されている「エコプロ2016」の一イベントして行われたもので、木の良さや価値を再発見させる製品や取り組みについて、特に優れたものを消費者目線で表彰する顕彰制度です。
天童木工の「Roll Press Wood」は「技術・研究分野」で応募されたもので、
軟質がゆえ、家具用材としては不向きとされてきた杉などの針葉樹を、独自開発のロールプレス工法で強度を高めた単板へと変え、その単板を重ね合わせて型で曲げて成形し自由な曲線を持つ丈夫な部材を作る、世界初の技術である。ローラーで連続的に圧密する工法のため、熱を加える時間が短く自然な色を残せるほか、連続作業によって大量圧密化が可能となった。日本各地の軟質針葉樹に優れた機能を付加する技術であり、木材の耐久性、耐候性を高める素材開発方法として新規性が高く、デザイン的、機能的な用途拡大に貢献している。(引用元:https://www.wooddesign.jp/)とコメントされています。
12月8日付でプレスリリースが出ています(天童木工のWebページより)
木に関する優れた製品や取り組み、技術を表彰する「ウッドデザイン賞」の上位賞が8日発表され、天童木工(天童市)の独自開発技術「Roll Press Wood(軟質針葉樹圧密化・成形技術)」が最優秀賞に次ぐ優秀賞に選ばれた。表彰式が同日、東京都の東京ビッグサイトで行われた。10日まで同所で受賞作品を展示している。
受賞したのは、薄く切り出したスギやヒノキなどの針葉樹を加圧して密度を高め、厚さ数ミリになった板を重ねることで強度を高める技術。これまで針葉樹は軟質のため、家具用材としては不向きとされていたが、この材質加工によりこれまでなかった家具の製作に成功している。
審査員からは「木材の耐久性などを高める素材開発方法として新規性が高く、デザイン的、機能的な用途拡大に貢献している」と評価された。天童木工製造本部長の西塚直臣常務は受賞について「大変うれしく、光栄。今後も木の可能性を高め、林業の活性化に貢献できるよう努めたい」と話した。
ウッドデザイン賞はNPO法人活木活木森ネットワーク、国土緑化推進機構、ユニバーサルデザイン総合研究所による運営事務局が主催し、2回目。全国から451点の応募があり、上位賞は最優秀賞1点、優秀賞9点、奨励賞15点の計25点が選ばれた。
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