ふるさと納税で全国トップクラスの天童市が、平成28年4月から9月までの実績で全国4位の寄附金を集めたことが分かりました。これは共同通信が1月29日に発表したもので、4月からの半年間で約13億円の寄付をいただいたようです。
最近では、東京などからの税の「流出」や返礼品の競争が問題視されていて、集めた金額そのものよりも、寄付金の活用方法が重要視されています。実際にどれぐらいの寄附金が自治体に残ってどういう使われ方をされているのか、今後は新聞やテレビでも取り上げていくと思われます。
ちなみに天童市では、経費を除くと寄付額の5割弱が手元に残り、将棋駒産業の育成や子育て支援の施策などに活用されています。
自治体に寄付をすると住民税や所得税が軽くなる「ふるさと納税」による寄付総額が、2016年4〜9月に700億円を超え、前年同期の1.6倍に増えたことが29日、共同通信の調査で分かった。自治体別では、4月の地震で大きな被害を受けた熊本県への寄付が前年同期の131倍に急増し首位で、熊本市も3位だった。
4位には寄付額13億円の天童市が入り、特産品の将棋の駒にちなみ、人気の将棋漫画をあしらったグッズなどを返礼品として採用している点が特徴。米沢市は寄付額10億4千万円で6位となり、主な返礼品は、設計から製造までを市内の事業所が手掛けるパソコンなど。
ただ、返礼品競争が一段と激化し、その調達費が膨らんでいるため、自治体が独自の政策に使えるお金がどれだけ増えるかは不透明だ。
ふるさと納税は年末に急増する傾向があり、16年度(通期)の総額は2千億円を上回る勢い。過去最高だった15年度の1653億円(総務省集計)を更新する見通しだ。
調査は全国1788自治体(都道府県、市町村、東京23区)が対象で、約96%が回答した。各自治体が16年4〜9月に集めた寄付額を合計すると707億円。回答した自治体の前年同期の寄付総額は451億円で、大きく伸びた。
熊本県は45億4千万円。熊本市も59倍の21億8千万円。被災地向けでは寄付をした人が返礼品を受け取らない場合も多い。
総務省の集計で前年同期にトップだった都城市は25億9千万円で2位。寄付をした人に贈っている宮崎牛などの肉や焼酎が引き続き好評だ。
5位は水産物が豊富な静岡県焼津市。佐賀県上峰町、鹿児島県志布志市、宮崎県都農町が今回新たに10位以内に入った。返礼品を充実させた効果とみられる。
前年同期に3位だった長野県飯山市は、パソコンを贈るのを一時やめたのが響き、10位以内に入らなかった。4位だった長崎県平戸市、6位だった島根県浜田市も入らず、競争激化の影響とみられる。8位だった岡山県備前市からは回答が得られなかった。
アンケートは昨年11月〜今年1月に実施した。
順位 | 自治体名 | 寄付額 | 主な返礼品や特徴 |
---|---|---|---|
1位 | 熊本県 | 45億4000万円 | 被災地支援で寄付急増 |
2位 | 宮崎県都城市 | 25億9000万円 | 宮崎牛、焼酎 |
3位 | 熊本市 | 21億8000万円 | 被災地支援で寄付急増 |
4位 | 山形県天童市 | 13億円 | 将棋漫画グッズも |
5位 | 静岡県焼津市 | 13億円 | 水産物が充実 |
6位 | 山形県米沢市 | 10億4000万円 | パソコンも用意 |
7位 | 佐賀県上峰町 | 9億6000万円 | 佐賀牛 |
8位 | 佐賀県上峰町 | 7億9000万円 | ウナギ |
9位 | 福岡県久留米市 | 7億8000万円 | 姉妹都市・福島県郡山市産のコメも |
10位 | 宮崎県都農町 | 7億7000万円 | ウナギ、宮崎牛 |
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