今年は全国的に早い春の訪れになっていて、天童市でも、きのう4月5日に桜の開花が確認されました。ですが、いいことばかりではありません。特産品のサクランボが平年よりも1週間ほど早めに生育が進んでいて、寒の戻りが厳しいと、霜でやられて不作になる恐れが出てきました。
生産量日本一を誇るサクランボの開花期を控え、この時期に懸念される霜の被害を防ごうと、県は5日、県内全域で「凍霜害防止キャラバン」を開始した。今季は3月からの高温で生育が例年より早く、雌しべの長さが霜の被害を受けやすい危険域に入っている。今週末には寒気の影響も予想され、注意が必要になる。
県農業総合研究センター園芸試験場(寒河江市)で栽培している主力品種「佐藤錦」の発芽は平年より3日早い3月26日。主産地でも同様の状況となっており、生育は前年より10日程度早まっている。
サクランボは発芽後、雌しべに霜が当たって凍ると枯死し、実を付けなくなる。同試験場では4月4日現在、雌しべの長さが2.93ミリとなっており、霜被害を受ける危険性が高まる2ミリを超えている。既に3月末の降霜で、一部の園地では枯死が確認されているという。
この日は、県村山総合支庁前で出発式を行い、上山市内を巡回した。凍霜害の有効策として期待が集まる「散水氷結法」を取り入れている同市相生の須田和弘さん(54)の園地も訪問。同支庁農業技術普及課の職員がサクランボの生育状況や防霜対策を掲載したチラシを配り意見を交わした。
山形地方気象台によると、今週末は前線を伴う低気圧が通過するため、強めの寒気が入って冷え込む見込み。須田さんは「毎日の天候次第なので細心の注意を払わないといけない。気が抜けない日が続くが、消費者においしいサクランボを届けたい」と気を引き締めていた。
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