関西国際空港などに甚大な被害をもたらした台風21号について、天童市でも9月4日(火)夕方から強風が吹き始めましたが、翌朝はすっかり晴れ渡りました。西は月山(がっさん)をはじめとした出羽三山、東は蔵王(ざおう)など奥羽山脈に守られている天童市ですが、今回は強風のために、桃やスモモ(プラム)、ラ・フランスが落果する被害がありました。
テレビニュースや新聞報道によると、天童市北部の成生(なりゅう)や小原(こばら)地域などを中心に被害が確認され、被害面積は49.91ヘクタール、そのうちラ・フランスは38.06ヘクタールに上りました。果実全体の3%程度が落ちたそうで、被害額は1800万円相当と試算されています。
ラ・フランスの収穫が始まるまであと1か月ほどありますので、残った果実が大きくなることを期待するしかありません。
台風21号の強風で落果したラ・フランス[撮影:2018年9月8日]
台風21号の強風で幹が折れたラ・フランス(YTS「ゴジダス」2018年9月6日より)
天童市内の被害面積は約50ヘクタール(YTS「ゴジダス」2018年9月6日より)
天童市のラ・フランス被害額は1800万円(YTS「ゴジダス」2018年9月6日より)
強大な勢力を保って北上してきた台風21号は4日夜から県内にも強風と雨による被害を及ぼし、一夜明けた5日、影響が明らかになった。農業施設や文化財などの建物が壊れ、果樹畑では収穫前の実が落ちた。停電や浸水、人的被害もあり、各方面に爪痕を残した。
酒田市の特産「刈屋梨」の園地では主力品種・幸水などが被害に遭った。刈屋梨出荷組合長の土井孝之さん(66)は「梨棚は横風には強いが、台風のように下から巻き上がる風は防ぎようがない」と肩を落とした。JA庄内みどり酒田園芸センターによると、刈屋梨は幸水が7割、今月下旬ごろに収穫が始まる豊水が3割を占める。今年は当初4万3300ケース(1ケース5キロ)の出荷を見込んでいたが、台風の影響で3割ほど減少しそうだという。
ラ・フランスの主産地・天童市では成熟期の実が落ちた。同市川原子の「ふる里観光果樹園」では、地面に強風で飛ばされた実が散乱。園長の森谷恵一さん(37)は「収穫直前ではないのでまだ良かったが、がっかりした。残った果実の肥大に期待したい」と語った。米沢市では市内約2ヘクタールで栽培されているラ・フランスの4割ほどが落果した。
鶴岡市内ではビニールハウスが破損する被害が発生。同市栃屋の農業男性(67)方では、花のストックを栽培するハウス2棟が壊れ、「ハウスがないと育てられないので諦めた。30万円ほどの損害になると思う」とうなだれた。
JAさがえ西村山管内でもラ・フランスやリンゴ、モモに被害が出た。
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