山形県天童市の伝統的工芸品「天童将棋駒」の伝統工芸士の第一人者・桜井和男(さくらい かずお)さん[雅号:掬水(きくすい)]が、将棋業界で初の文化庁長官表彰を3月18日(月)に受章しました。
将棋のまち・天童市で、長年、駒の製作に携わってきた桜井和男さんが、文化の振興に貢献した人などに配られる文化庁長官表彰を将棋関係者として初めて受け、天童市長に受章を報告しました。
桜井和男さんは、天童市で50年近く将棋の駒を製作していて、国の伝統工芸士に認定され、手掛けた駒は名人戦など多くのタイトル戦でも使用されています。現在は後継者の育成にも尽力していて、その功績が認められ、文化の振興に貢献した人などに贈られる今年度の文化庁長官表彰を将棋関係者として初めて受章しました。
桜井さんはきょう天童市役所で山本信治市長を表敬訪問し、きのう東京で行われた授賞式で贈られた賞状を披露しました。
2018年度の文化庁長官表彰を受けた天童将棋駒伝統工芸士の桜井和男さん(70)=天童市蔵増、号は掬水(きくすい)=が19日、市役所で山本信治市長に受賞を報告した。
5人しかいない将棋駒伝統工芸士で、手掛ける最高級の「盛り上げ駒」は多くのタイトル戦で使われてきた。山本市長から「将棋ブームの追い風になる」とたたえられ「将棋駒のまちで仕事をさせてもらっているおかげ」とお礼を述べた。
県将棋駒協同組合の専務理事を務めており、武内昭博理事長と一緒に訪問。駒製作の傍ら、組合が実施する後継者育成講座の講師として業界最大の懸案にも当たっている。4月から最終年度の5年目に入る講座について、桜井さんは「7人が在籍しているが、数人は(駒職人の)即戦力として活躍してもらえると思う」と明るい見通しを示した。
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