山形県天童市の出羽桜酒造が、公益財団法人 食品等流通合理化促進機構が主催する「第5回 輸出に取り組む優良事業者表彰」で農林農林水産省食料産業局長賞の6点の1つに選ばれました。
出羽桜酒造は「香り豊かな吟醸酒の魅力を世界中へ発信」と題し、地酒メーカーとしては業界に先駆けて1997年(平成9年)から輸出に取り組んできたことや、輸出に際しての課題とその解決方法などをアピールしました。
老舗酒蔵の出羽桜酒造(天童市、仲野益美社長)が、本年度の「輸出に取り組む優良事業者表彰」で最高賞に次ぐ農林水産省食料産業局長賞に選ばれた。同業他社に先駆け20年以上前から輸出に取り組み、取引量を年々拡大。海外で日本酒の高付加価値化をリードした点が評価された。同表彰で本県からは初受賞。
同社は少子化に伴う国内市場の縮小を見込み、1997年から米国向けに輸出を始めた。それまで海外で日本酒はひとくくりに「sake(サケ)」とされていたが、同社は吟醸酒など高品質、高付加価値の酒を造り続けており、海外の展示会で精米歩合の高さや豊かな香りなどのこだわりと特徴をPR。量より質を追求する姿勢で他の酒との差別化に成功した。
日本酒の輸出は長期間の船輸送を伴うため火入れの酒が主流だ。同社は本来の味を楽しめる生酒にこだわり、大手メーカーと共同で適度な酸素量に管理できる装置を開発。コストはかかるが劣化を防止でき、生酒の輸出が可能になった。
また輸出先の国ごとに販売パートナーを1社に限定し、酒や山形の魅力を伝える代弁者と位置付け、酒や本県の風土についてレクチャー。多くの人の目に触れる国際空港の免税店市場も重要販売拠点と捉え、販売員へのサポートを継続している。共に販売時に生産ストーリーを含め紹介してもらい、海外での日本酒の理解促進に生かしている。
この努力が実を結び、現在は35カ国に出荷し、各国のレストランなどで提供されている。本年度は新型コロナウイルス禍により輸出量を減らしたが、今後は欧州や中国向けを強化し、小売店にも出荷して家庭需要を取り込む計画。生活の中に日本酒を溶け込ませるため、他の県産品と合わせた輸出も手掛けたいという。仲野社長は「海外市場はまだ伸びる。日本酒は山形の風土、文化を物語ることができる。世界に地元の良さを発信したい」と話した。
表彰は食品等流通合理化促進機構が主催し5回目。海外での日本食への理解深化、日本産品の輸出促進、業者の意欲喚起を目的に輸出に関わる団体・個人を顕彰している。
[山形新聞]出羽桜酒造(天童)農水省局長賞 本年度の「輸出優良事業者表彰」
日本酒の高付加価値化 けん引
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