元・小学校教諭の工藤美季(くどう みき)さんが、「ホワイトボード・ミーティング®」を活用した教育支援事業を立ち上げました。
小学校教諭を早期退職した工藤美季さん(52)=天童市糠塚=が、民間による教育支援を主とした個人事業「tunagu(つなぐ)」を立ち上げた。民間企業が認定している「ホワイトボード・ミーティング講師」として学校や会社、家族での会議を効率的、効果的に進める方法を伝えつつ、現場経験を生かして地域の事業から子どもの学びや教育にアプローチしている。
工藤さんは3月に天童市津山小を最後に29年間の教諭生活を離れた。学校では現在、GIGAスクール構想を基に情報通信技術(ICT)の活用が進む。「ICTでは本質的な対話の力が求められ、データだけでは子どもたちの考えや学びを深められない」と思い、多様な意見をまとめて問題解決したり合意形成したりする「ファシリテーション力」の必要性を感じたという。地域に出て多くの人の能力開発を支援し、「子どもの学びと居場所づくり」を進める個人事業主への転身を決意。校内研修サポートやオンラインフリースクール、ワークショップなどビジネス的側面から教育に携わることを選んだ。
事業のうち会議を通じてファシリテーション力を養う「ホワイトボード・ミーティング®」は、大阪市の民間企業が開発したプログラム。進行役と参加者に分かれ、意見を白板に書いて可視化し、話し合いの段階に応じて色分けして進める。山形大児童教育コースの授業でも取り入れられている。工藤さんは2019年に認定講師となり、教育現場でも生かしてきた。
市内で7月に親子を対象に開いた同プログラムの勉強会「アイデアを形にする企画会議」では3家族が参加。工藤さんの助言を受けながら、わが家の夏休みを黒、大事なアイデアを赤、具体的な計画を青で書いて意見を活性化させ、話をまとめていた。工藤さんは「豊かなコミュニケーションが取れる社会であれば、一人一人が持てる力を発揮できる地域社会になると思う。ファシリテーション力をその手段とし、子どもの学びの広がりを助けたい」と話す。県内各地でセミナーを開いている他、市内で毎月、勉強会を開催。連絡のメールアドレスは tsunaguterraアットgmail.com (※アットの部分は半角のアットマークに置き換えてください)。
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