JR天童駅1階にある天童市将棋資料館の開館30周年企画展を明日に控え、開幕セレモニーが開催されました。国内ほぼ非公開の作品が展示されるめったにない機会です。天童に降り立ってまずは資料館へ、または、帰り際にちょっと早めに天童駅に到着して、ぜひ見てみてください。
将棋資料館のとなりには、天童将棋交流室があって、誰でも無料で将棋を指すことができます。日本将棋連盟天童支部の皆さんがお相手できますので、おひとりの方でも気軽にお立ち寄りください。
将棋の駒の生産量が日本一の天童市にある将棋資料館の開館30周年を記念して、あすから将棋駒の名工たちの作品を集めた特別企画展が始まります。
この特別企画展は、JR天童駅の1階にある天童市将棋資料館が30周年を迎えたのに合わせて、市が企画しました。会場には、江戸時代から戦前にかけて活躍した将棋駒の名工と言われる金龍(きんりゅう)や、現在流通している駒の書体の大半を作った豊島龍山(とよしまりゅうざん)が手がけた駒など、20点余りが展示されています。
なかでも、江戸時代に活躍した安清(やすきよ)の作品は、昭和40年代まで出回っていた書き駒(かきこま)に使われた「天童草書体」のルーツとなったものです。また、天童市が彫り駒(ほりごま)中心の産地となるきっかけを作った奥野一香(おくのいっきょう)が、昭和天皇の即位を記念して作った駒も展示されています。
この特別企画展は、明日から12月21日まで、天童市将棋資料館で開かれています。
天童市将棋資料館の開館30周年を記念した特別企画展「将棋駒に宿る日本の美―歴史的名品にみる匠の技―」が、1日から同館で始まる。国内で公開される機会の少ない駒や同市にゆかりの深い駒など、将棋駒の美術的価値の確立を担ってきた名工たちの作品を紹介する。12月21日まで。
静岡県で収集や調査を行っている男性の協力を得て、希少価値の高い将棋駒のほか、蒔絵が施された将棋盤や駒箱など約20点を展示している。
将棋駒は、江戸時代に活躍した大阪の駒師・安清(やすきよ)(清安(きよやす))、江戸末期から明治初期に活躍した金龍(きんりゅう)、近代駒の祖といわれる豊島龍山(とよしまりゅうざん)らの作品を紹介。天童の「書駒(かきこま)」(木地に漆で直接文字を書いた駒)では伝統的に草書体が用いられており、そのルーツとされる安清の作品や、天童の「彫駒(ほりこま)」(木地を彫った部分に漆を塗った駒)の生みの親とされる奥野一香(おくのいっきょう)の作品もある。
会場の一角には、将棋駒や、木地に使われるツゲの原木に直接触れることができる体験コーナーを設置。将棋駒は「彫駒(ほり)」、漆を記事の高さまで埋め込んだ「彫埋駒(ほりうめ)」、彫埋駒にさらに筆で漆を重ねて文字を盛り上げた「盛上駒(もりあげ)」の3種類を用意し、その違いを実感できる。
一般公開に先駆け、オープニングセレモニーが9月30日に行われた。山本信治市長が「名工たちの貴重な作品を、ぜひこの機会に多くの皆さんから鑑賞していただきたい」とあいさつし、テープカットで開幕を祝った。セレモニーの後、関係者や報道機関を対象に、一足早く館内が公開された。
同館は将棋文化をPRするため、1992年に天童駅ビル1階にオープンした。特別企画展に合わせ、展示スペースの照明を蛍光灯や電球から発光ダイオード(LED)に切り替え、展示物の劣化を防ぐ取り組みを進めた。
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■天童市将棋資料館
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