最上川の支流の1つ・樽川(たるがわ)の排水樋門が完成し、天童市立蔵増公民館で記念式典が開催されました。樽川は天童市西部地域の田んぼの排水を受け、蔵増地域の集落内を通って最上川に流れているもので、これまでにたびたび内水被害が発生していました。
2016年(平成28年)3月からは国、山形県、天童市が樽川の内水対策に関する連絡調整会議」を定期的に開催し、2018年(平成30年)7月5日(木)には国・県・市の3者が一体となって、治水対策に関しての役割を確認し、より具体的な対策の検討・協議を実施するために「樽川の総合的な治水対策に関する協議会」を設立していました。
天童市蔵増地区の樽川(たるかわ)と最上川合流部で改築工事が進められていた「樽川排水樋門」が完成し12日、同市蔵増公民館で完成を祝う式典が行われた。
樽川排水樋門は1959(昭和34)年の設置から60年以上が経過し老朽化が進んでいた。また樽川の拡幅改修により、河川断面に対して樋門の断面不足が生じていた。国土交通省は2020年度に工事に着手し、今月完成した。樋門断面の延長は以前の5.72メートルから14メートルに拡大し、樽川の計画流量毎秒50トンの水が流下しても推移を堤防高まで抑えられる。総事業費は約9億円。
式典では、山本信治市長と山本巧東北地方整備局長があいさつし、遠藤利明自民党総務会長と平山雅之副知事が来賓祝辞を述べた。地区住民代表の楯悟朗さんと蔵増小5年鈴木大海(たか)君が「排水樋門の完成は地元住民の安心につながる」と感謝の言葉を述べた。関係者6人が操作ボタンを押すと樋門ゲートが稼働し、その様子がスクリーンに映し出された。
13、14年の豪雨時に樽川が決壊の危機に見舞われたことから、国と県、市が連携して総合的な治水対策に取り組んでおり、樋門改築はその一環。樽川を管理する県は、樋門近くの樽川左岸に内水対策として調整池の整備も進めている。
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