山形駅と仙台駅を結ぶJR仙山線で、トロッコ列車「風っこ山寺ハイキング号」の運行が始まりました。毎年夏休みのシーズンに運行されている「風っこ号」は、これまで山形駅と山寺駅の区間で運行されていました。しかし、10月からJRのデステイネーションキャンペーンが宮城県で行われるため、今年は山寺駅の1つ仙台よりの面白山高原駅(おもしろやまこうげんえき)まで運行区間が伸ばされました。トロッコ列車は7月14日(土)、7月15日(日)、7月16日(月)、7月21日(土)、7月22日(日)、7月28日(土)、7月29日(日)までの合計7日間、1日1往復限定で走ります。夏休みの思い出に、ぜひ体験してみてはいかがでしょうか?
- (関連ページ)
- ■天童のニュース:JR仙山線
- http://www.ikechang.com/news/news310.htm
- ■山寺(立石寺)・トロッコ列車の紹介
- http://www.ikechang.com/yamadera.html
佐藤定四郎(さとう・さだしろう)氏が会長を務める「天童市野草と親しむ会」が、山口地区にある標高667.9メートルの水晶山(すいしょうざん)でハシドイの群生地を確認しました。ハシドイは高冷地や温帯に生育するモクセイ科の落葉小高樹で、北海道以外では気候的・地形的に極めて限られた場所にしか残っていないとされているものです。山形県内では、80年ほど前に三崎山・女鹿(遊佐町)で初めて発見されてから、水晶山(天童市)、関山峠(東根市)、菖蒲山(上山市)、二井宿(高畠町)でしか見つかっていません。水晶山については70年ほど前の植物誌に記述されていますが、発見当時のことを知る人がすでにおらず、文献の中で1935年(昭和10年)と1940年(昭和15年)に発見されたとの記述が残っているだけでした。
「天童市野草と親しむ会」は、植物地理に詳しい元・山形県文化財保護指導員で植物研究会「フロラ山形」会長の吉野智雄(よしの・ともお)氏(75歳)から、水晶山でのハシドイの確認の重要性をアドバイスされたことをきっかけにして、10数年前から毎年のように山に入って現地調査を行ってきました。会では、文献に記録されている発見当時の山の状況や行程から自生地を推測し、山の地形に詳しい地元住民の協力を得ながら丹念に探し続けた結果、6月下旬に佐藤会長らが発見、同行した吉野氏も確認しました。
発見地の一帯には、幹の直径およそ3センチから9センチ、高さ2メートルから8メートル超のハシドイ、合計49本が群生していました。ちょうど開花時期だったため、日当たりの良い場所に生えていたおよそ30本で、白い小さな花が満開を迎えていたそうです。吉野氏によると、山形県内の自生地で花をつけるのはせいぜい数本しかなく、これほどまでの個体数を誇る場所はほかにないそうです。「天童市野草と親しむ会」では、この群生地の保全と保護について検討していく予定です。
- 佐藤定四郎(さとう・さだしろう)会長のコメント
- 見つけたときは感動で震えた。水晶山の貴重な植生と、歴史的な素晴らしさを裏付けることができた。
- 吉野智雄(よしの・ともお)さんのコメント
- 約70年間の空白地帯を埋める素晴らしい発見で、日本の植物の分布を考える上で学術的にみ貴重な資料。郷土の自然を明らかにしたいという会員の熱意と執念に頭が下がる。
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- ■天童のニュース:ボランティア・各種団体
- http://www.ikechang.com/news/news160.htm