山形市の市川昭男(いちかわ・あきお)市長が2月21日の山形市議会定例会で発表した新スタジアム建設計画について、テレビニュースに引き続き、新聞各紙の報道を紹介します。
山形新聞(その1) / 山形新聞(その2) / 毎日新聞 / 河北新報 / 朝日新聞
総合すると、次のようにまとめられそうです。
市川昭男(いちかわ・あきお)山形市長は21日、一昨年9月の市長選で公約に掲げたドーム型競技場の建設構想を一時凍結し、サッカーJ2・モンテディオ山形の本拠地誘致を視野に、登記も試合ができるスタジアムを県などと共同で市内に建設したいとの考えを表明した。整備を計画している新市野球場の建設地については、落合の市総合スポーツセンター敷地内に決定したことも明らかにした。
市議会3月定例会の本会議で議案説明に続いて発言した。Jリーグが検討している秋から春にかけて試合を行う「秋春制」に移行した場合を想定し、市川市長は「(現本拠地で天童市の)NDソフトスタジアム山形が冬季に耐えられない場合、新本拠地を作る選択肢も出てくるのではないか」と指摘。
この上で「ホームグランドの移設構想が検討されることがあれば、県との共同の下、ドーム型競技場の機能にも配慮しながら、山形市への誘致に努める必要がある。市民、県民が明るい希望を持てる選択肢と思っている」などと述べた。
県などと共同でスタジアムを建設することになった場合は、ドーム型競技場の機能も持たせた施設として整備。ドーム型競技場建設に充てる予定だった財源を振り分ける方針だ。
市川市長は数日前に吉村美栄子知事に会い、市内へのスタジアム整備を提案。現時点で明確な返事はなく、市は近く文書で正式に提言するという。
1月下旬まで続いた2013年度の予算査定後の決断だったといい、この日開会した市議会定例会に提出した予算案には、ドーム型競技場の設計費4100万円も計上されている。当面、凍結したまま修正などは行わず、県やモンテディオ山形を運営する県スポーツ振興21世紀協会の理解が得られない場合はドーム型競技場整備に着手する考え。
新市野球場については、市総合スポーツセンターの屋外スケート場東側の駐車場として活用しているスペースに建設する。霞城公園内にある現野球場と同規模を想定。13年度に基本、実施設計を行い「できるだけ早期に着工する」(市川市長)とした。
吉村美栄子知事は21日、市川昭男山形市長から提案があったことを認めた上で「Jリーグの同行を注視しながら対応を考えなければならない」と述べた。
報道陣の取材に対し、吉村知事は「天童市のホームスタジアムのこともあり、情報収集に努めながら検討する。モンテディオ山形は県民にとって大きな存在。最も望ましい方向性を探りたい」と強調。建設費については「まだ話題にも上っていない」とした。
高橋節(たかはし・たかし)県スポーツ振興21世紀協会理事長は「協会としてはJリーグ実行委員会の秋春制導入の話し合いなどの情報をきちんと整理していく必要がある。そうした中、県内の自治体が(本拠地の)誘致に向けた行動を取ることについて、どうこう言う立場にないが、実行委員会の動きと合わせて対応を考えていく」と語った。
降って湧いたような山形市によるモンテディオ山形の本拠地スタジアム誘致の動き。「これを機に専用スタジアムを」「利便性が向上するなら」。サポーターからは前向きに捉える声が聴かれた。市川昭男山形市長が誘致を表明した山形市議会の本会議では「県民、市民の期待も大きい」「あまりに唐突だ」と市議の歓迎、困惑の声が交錯。現本拠地・天童市の山本信治(やまもと・しんじ)市長は戸惑いを隠さなかった。
サッカー専用スタジアム建設を望むサポーターは多い。サポーターズクラブ連合会「ULTRAS ACMY」代表の藤倉晶さん(37歳・南陽市宮内)は市川市長の方針について「専用スタジアムは必要。山形市に誘致という話になれば、市街地活性化につながる場所を選んでもらい、経済効果も期待したい」と語った。
「山形市民なので(施設は)あった方がいいと思うが、専用スタジアムでなければ中途半端。市民の意見をしっかりと聞いて検討して」と要望するのは高橋江美さん(62歳・山形市篭田1丁目)。天童市高擶、無職増子光男さん(62歳)は「雪国のハンディに対応してくれる専用スタジアムであれば、チームの将来を考えて(山形市への)建設は仕方ない。ただ、今よりも利便性が向上しなければ、天童でチームが根付いてきたことを踏まえて反対だ」と話した。
市川市長が公約のドーム型競技場構想の凍結と、モンテディオ山形の本拠地スタジアム誘致を表明した後の市議による質疑。真っ先に発言した市政与党の立場にある緑政・民主・公明クラブの武田聡議員は「議会内でも(ドーム型競技場に対しては)より県民、市民に親しまれ、ニーズのあったものを(整備して)という声があった。一定の評価をしたい」と歓迎の姿勢を示した。
ドーム型競技場に一貫して反対してきた自民党新翔会の後藤誠一議員は「歓迎すべきものと受け止めている」としながら、「県は前々から計画してきた文化施設でさえ、凍結してきた。希望的観測だけで大きな決断に至っていいのか」と突然の方針転換に疑問も呈した。
改革会議の尾形源二議員は「あまりに唐突すぎる。選挙で公約したドーム型競技場と(スタジアムは)全く異質なもの」とし、ドーム型競技場に期待している競技関係者らもいると強調した。
天童市の山本市長には21日朝、市川市長から電話連絡があったという。山本市長は「大変、困惑している」とした上で、「クラブハウスや駐車場、練習場など、多額の公金を投じて選手のための環境を整えてきた。関係機関と相談しながら対応していく」と語った。
また、市内には多くの支援組織(応援隊)があることや、モンテディオ山形を運営する県スポーツ振興21世紀協会に対する負担金(本年度は2000万円)を継続していることなどに触れ、「チームの存続が市の活力になっている。チームを誇りに思う市民の思いに、行政としてできるだけ応えてきた。(関係者には)市民n思いを大事にしてほしい」と話した。
山形市の市川昭夫男市長は21日開会した山形市議会3月定例会本会議で、3期目の目玉公約の1つに掲げ、13年度当初予算案に関連予算を盛り込んでいるドーム型競技場の建設計画を凍結することを急きょ表明した。サッカーJリーグが秋から春にかけて試合を行う「秋春制」導入を議論していることに触れ「冬も試合ができる新スタジアムが必要という話になれば、市への誘致に努めたい」と述べ、J2モンテディオ山形の新メーンスタジアム建設に名乗りを上げた。一方、突然の山形市の表明に対し、モンテの現メーンスタジアムがある天童市は困惑の表情を見せた。
市川市長は11年9月、震災を踏まえた安全・安心な街づくり、小6までの医療費無料化の段階的な実施、ドーム型競技場建設などを目玉公約に掲げ、3選目を果たした。昨年4月には建設基金を創設。今年3月末までに具体的な建設場所を明らかにし基本構想を策定する予定だった。
21日の本会議で市川市長は「3月までに説明するとしていたスポーツ施設の建設場所について申し上げます」と口火を切ると、Jリーグが「秋春」制導入に向け議論していることを説明。ドーム型競技場建設に向けて積み立てた基金を回し、県と共同で新スタジアム建設を目指したいとの考えを明らかにした。ドーム型競技場については「当面の間、見送ることにする」とした。
突然の表明に市議からは賛否両論の声が上がった。県との協議について問われると、市川市長は「数日前、知事に意向を伝えた。文書で改めてお願いする」と述べた。「公約違反ではないか」との批判が上がると、「謝れと言われれば謝りたい」「市民、県民がより明るい希望を持てる選択肢がある。私はその選択肢に掛けている」と答えた。
ドーム型競技場建設を巡っては、議論が15年以上続いている。スポーツ少年団をはじめ、市民が冬季に練習できる環境を整備しようと、96年度に市は建設基金を初めて創設。04年3月末までに4億5300万円を積み立てた。ところが前年9月に初当選した市川市長が、市総合スポーツセンターや新野球場の整備など幅広い用途に使える「体育施設整備基金」に変更した。
13年度当初予算案には基本設計費として4100万円を計上していた。
吉村美栄子知事は市川市長の方針について「今すぐどうというのではないが、Jリーグのシーズン移行は大きな課題で考えないといけない。今回の話は市長から突然聞いたわけではない」と取材に話した。
市川山形市長の突然の表明を受け、モンテの現メーンスタジアム「NDソフトスタジアム山形」(県総合運動公園内)を抱える天童市からは困惑の声が上がった。山本信治市長は21日、コメントを発表。「具体的なコメントは控えたい」としながらも「ホームグラウンドとしてチーム発足時から使われ、天童市は長年、市民を挙げてモンテを応援してきた。そのようなホームタウンとしての活動や、長年支援してきた天童市民の熱い思いを大事にしていただきたい」とした。
山形市がドーム型競技場を作る方針を転換し、モンテの本拠地を誘致することを視野に入れたことについて、モンテの中井川茂敏ゼネラルマネージャーは「現段階でコメントは控えたい」と述べるにとどめた。
また、モンテサポーターで元コールリーダーの藤倉晶(あきら)さん(37歳)は「山形市がモンテを大事に思ってくれているのはありがたい。サッカー専用のスタジアムであることや、地元にお金が流れ活性化するように、できる限り市街地に近いところに建設することなどを望みたい」と話した。
山形市は21日、サッカーJ2山形の本拠地誘致を目指し、全天候型の新スタジアム建設に乗り出すと発表した。新年度に基本設計を予定していたドーム型競技場の建設計画を凍結し、関連費用を冬季のサッカー公式戦が可能なスタジアム建設に充てる方針に転換した。山形県との共同建設を想定しており、今後県に正式に提案する。
新スタジアム構想は、市川昭男市長が21日に開会した山形市議会3月定例会の本会議で明らかにした。Jリーグの公式戦を念頭に、雪が降る冬季も試合ができる競技場を想定。建設地は山形市内とした。
J2山形は現在、天童市のNDソフトスタジアム山形(県総合運動公園陸上競技場)を本拠地とする。市川市長は、日本サッカー協会がJリーグのシーズンを冬季の試合を含む秋春制に移行できないか検討している点を挙げ、「NDスタジアムは冬季の使用に耐えられない。新たなスタジアムの整備が選択肢となる」と構想の背景を説明した。
議員からは「歓迎すべき提案だ」など好意的な意見のほか、「県に大型予算を組む余裕はあるのか」「考えの変更があまりに唐突すぎる」と反発する発言もあった。
新スタジアムの規模や建設費は未定。Jリーグの試合が行われる他都市の全天候型施設の場合、建設費は数百億円に上るとされ、J1大分の本拠地、大分銀行ドーム(大分市)には250億円が投じられた。
凍結された山形市のドーム型競技場建設計画は、市川市長が2011年の市長選で公約に掲げた。市は15年度の着工を目指して同競技場建設基金への積み立てを行い、新年度予算案で競技場の基本設計に4100万円を計上。3月定例会で建設地などの基本構想を明らかにする予定だった。
山形市の市川昭男市長が新スタジアム構想を発表した21日、共同建設のパートナーに名指しされた山形県や、サッカーJ2山形の本拠地・NDソフトスタジアム山形(県総合運動公園陸上競技場)がある天童市に、「寝耳に水だ」と驚きや戸惑いが広がった。
スタジアム構想は突然発表され、県の担当部署には事前の情報提供はなかった。県都市計画課は「何も聞いていない」、県民活動プロスポーツ支援室も「テレビ報道絵初めて知った」と、困惑気味だった。
構想に参加すれば県も多額の支出を求められる。吉村美栄子知事は報道陣の取材に応じ、「市川市長からは口頭で考えをうかがったことはあるが、建設費など具体的な話は全くしていない」と語った。
将来的にチームの本拠地が山形市に移れば、天童市が経済的な影響を被るのは必至だ。天童市の山本信治市長は「長年支援してきた天童市民の熱い思いを大事にしてほしい」とのコメントを発表し、山形市の構想に暗にくぎを刺した。
一方、J2山形のサポーターからは歓迎する声が挙がった。山形市の団体職員富樫雅俊さん(53歳)は「冬場でも不自由なく試合ができるようになれば選手にもサポーターにも良いことだ。子どもたちの冬場の練習場所にもなり、山形のサッカー界全体も強化される」と評価する。
チームを運営する県スポーツ振興21世紀協会は、NDスタジアムの設備上の問題だけでなく、集客への影響の観点からも、秋春制への移行に反対している。
同協会の理事長を兼務する高橋節副知事は「山形市がチームのことを考えてくれるのはありがたい」とする一方で、「秋春制をめぐってはいろいろな議論が進行中で、今後も多角的に情報を収集したい」と述べた。
山形市の市川昭男市長は21日開会した3月定例市議会で、2015年度着工を目指していたドーム型競技場計画を凍結し、サッカーJ2モンテディオ山形の本拠地となるスタジアムを県とともに建設する構想を明らかにした。近く県に正式に提言するが、モンテ側や現在本拠地の天童市にはまだ説明していないという。吉村美栄子知事は「色々な方と連携して、話し合いを進めないといけない」と話している。
市川市長は、ドーム型競技場の基本設計費を盛った新年度予算案を13日に記者発表したばかり。延べ床面積約1万平方メートルで人工芝のグラウンドを整備。ソフトボールや少年野球などで使うことを想定していた。
わずか1週間での計画変更について、市川市長は市議会で「Jリーグの動向を注視しながら、モンテの本拠地となるスタジアム誘致に努めていく必要があると考えた」と説明した。
Jリーグの日程を秋春制に変える動きが進んでおり、「冬季の使用にも耐えられるスタジアムを新たに整備するよう県に提言する」方針だ。今月13日にJリーグ関係者らが現本拠地のNDソフトスタジアム山形(天童市)を視察した際には、雪が積もったピッチを見て「降雪時の試合は無理」との意見が出たという。
市スポーツ保健課は全国各地のスタジアムの事業費などの情報収集を始めた。同課によると、Jリーグで使うスタジアムを新設する場合、2万人以上収容できる規模が条件だという。降雪時も使えるスタジアムの建設には少なくとも100億円程度は必要とみられる。
山形市は、県と共同でスタジアムを整備することになった場合、35億円の事業費を見込んでいたドーム型競技場は断念する。スタジアム整備にしが35億円を提供し、残りを県に負担してもらう考えだ。
本会議では、市議からドーム型競技場の事業費をサッカースタジアムに充てることを疑問視する質疑も出たが、市川市長は「(スタジアム整備で)ドーム型競技場の機能についても配慮できればいい」とした。
市川市長は数日前に知事に構想を打診したという。
市川市長が突然ぶち上げた新サッカースタジアム構想。数日前に非公式に説明を受けたという吉村知事は報道陣の取材に「覚悟と責任を持っての発言。私もちゃんと受け止めないといけない。Jリーグに(秋春制を検討する)大きな流れがあり、それを視野に取り組んでいきたい」と前向きな姿勢を示した。
その上で、山形市、天童市、モンテディオ山形を運営する県スポーツ振興21世紀協会(理事長=高橋節副知事)などと連携して話し合いをしていくと語った。
一方、本拠地の座を奪われる可能性がある天童市の山本信治市長は談話を発表。「詳しい説明を頂いていないため、コメントは差し控えたい」としつつ、「ホームタウンとしての活動や、長年支援してきた天童市民の熱い思いを大事にして頂きたい」と求めた。
県スポーツ振興21世紀協会は秋春制に反対の立場。高橋理事長は朝日新聞の取材に「モンテは天童市を本拠に活動している。山形市の考えを否定するものではないが、いけるというものでもない。秋春制もJリーグで結論が出たわけではない。この議論に関する情報を集めて整理していく必要がある」と話した。
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