12月8日(日)の第19回平成鍋合戦まで残すところあと3日、福島県から毎年参戦している相馬市観光協会が、毎日新聞の福島版で紹介されました。福島原発の事故によりいまだ相馬沖では試験操業が続いているため、鍋に使う魚は漁業関係者のネットワークを活用して、ほかの県から調達したそうです。
「相馬漁師鍋『絆』」と名づけられた相馬市観光協会の鍋は、1杯400円で販売されます。
相馬市観光協会は、山形県天童市で8日開かれる第19回平成鍋合戦に「相馬漁師鍋『絆』」を出品する。過去3回、相馬の豊かな海の幸を武器に優勝した原点に返り、カニ中心の料理を提供する。同協会は「漁業関係者のネットワークで各地から最高の食材を集められた」として、「絆」と名付けた新メニューをPRする。
鍋合戦は、東北地方を中心に32団体が自慢の計33鍋を300〜500円で販売、味やアイデアを競う。同観光協会は11、12、15回大会でトップに輝き、鍋将軍の称号を得た。昨年は相馬産にこだわった「新・相馬漁師鍋『希望』」で参戦した。
今回の「絆」は、ズワイガニのツメ、カニミソを練り込んだ豆腐をはじめ、湯葉で包んだタラのすり身、ドンコのつくねなどを甘辛のミソスープで仕上げた。600杯を用意し、1杯400円で販売する。
相馬沖の試験操業は、原発の汚染水問題などで一進一退の状態。ズワイガニは試験操業の対象だが、国の規制で太平洋北部海域の漁期は10日〜3月末。冬の代表的な魚介類、タラやドンコも出荷制限されている。手を尽くして他県から調達したという。
メニューを開発したのは、市内の飲食店でつくる「いいべした創造(つくり)隊」。責任者で居酒屋「卯々弥(ううや)」を営む牛渡(うしわた)隆一さん(51)は「毎年、相馬の鍋を楽しみに会場に来てくださる方たちがいる。感謝の気持ちを込めて相馬の元気をアピールしたい。将来は全品を地元産で作りたい」と話す。【高橋秀郎】
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