8月22日(金)に発生した突風、雷、大雨、雹(ひょう)により、天童市役所周辺では乗用車の屋根やボンネットにくぼみができたり、街路灯が割れたりする被害が起きたことをお伝えしました。これから収穫を迎えるリンゴやモモ、ラ・フランスの被害状況の確認が翌8月23日(土)に行われたところ、天童市北部の園地を中心に実割れ、倒木、枝折れが確認されたそうです。
22日に天童、東根両市を中心に降ったひょうは、出荷直前のわせ品種のリンゴをはじめ、モモやラ・フランスに実割れなどの被害を及ぼした。県やJA関係者は23日、現地に出向き、被害状況を調査。生産者は、傷んだ果実を手に肩を落とした。
県農政企画課によると、被害は天童、東根両市を中心に、寒河江市、河北町でも確認された。大半がリンゴで、ラ・フランスやモモにも実割れや落下などの被害があった。同課で被害面積や金額の取りまとめを急いでいる。
天童市内では、果実の主力産地となっている市内北部一帯(成生、乱川、道満、山口など)で、リンゴ、モモ、ラ・フランスなどの実に傷が付くなどの被害が広がった。同市観光果樹園連絡協議会の森谷仙一郎会長は「生食での出荷が難しく、深刻な打撃だ」と話す。
同市内では22日午後4時すぎから市内の広範囲でひょうが降り、大きいものは直径2〜3センチほどだった。山口地区の国道48号沿いにある観光果樹園の女性社員は「20分程度降り続き、外に出られる状態ではなかった」と振り返る。
被害を受けた果実は、ひょうが当たった個所に傷や茶色い跡が残り、強風による倒木や枝折れも多く確認された。今は目に見えない傷が、今後目立ってくる可能性もあり、実がまだ小さく固いラ・フランスもくぼみのような傷が残って商品価値を下げるという。森谷会長は「育成は順調だったのに…」と落胆した。
同市内ではひょうで車の車体がへこんだり、民家のプラスチック製の屋根に穴が開いたりする被害もあった。
長沢豊JA全農山形運営委員会長と若松正俊県農林水産部長ら、JAグループと県の関係者らは23日、被害が大きかった天童市北部と東根市神町でリンゴやモモの園地を回り、実割れの状況などを確認した。
天童市内では山本信治市長、結城齊JAてんどう組合長らと意見交換。「リンゴやモモはいざ収穫という時期。大変な状況だが、残った果実はしっかり手入れし、来年度以降も生産者の栽培意欲が低下しないよう取り組んでいく」と話した。
長沢会長は「大きな被害が想定されるが、災害が起きたときは初期対応が重要。被害状況を確認した上で、県とJAグループが一体となり、早急に対策を講じていきたい」と強調。若松部長は「経営に関する影響について生産者の話を聞きながら、必要な対策を考えていく」と語った。
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