［山形新聞］談話室

▼▽将棋の起源は、古代インドの「チャトランガ」という4人制さいころゲームとされている。これが中国などを経て日本へ。平安時代には貴族の間で流行し、江戸時代には八代将軍徳川吉宗のころから普及したとされる。

▼▽将棋と言えば、駒の生産量日本一の天童市だろう。イベントの中でも印象深いのが「百面指し」である。テーブルを挟んでプロ棋士5人と愛好者ら100人が対局する。棋士は1人で20人を相手しなければならず大変だ。時には子どもが勝利することもあり、盛り上がる。

▼▽その天童で3400人による1700対局計画が持ち上がった。10月、同時対局数の世界記録に挑むという。市内では将棋人口が減っており、記録達成を普及の起爆剤にしたい考えだ。今の記録は東京都内で成功した3148人いよる1574対局。ギネスにも認定された。

▼▽日本将棋連盟天童支部は昨年、会員数が209人になり、6年ぶりに首位へ返り咲いた。駒生産量を含め二つ目の日本一である。支部はプロ棋士輩出も目指す。そのために百面指しや少年少女教室を開いている。世界記録を弾みに悲願を成就させたい。簡単ではないが、粘り強く。