天童温泉の旅館「天童荘」の料理人・桜井忍さんが、10月22日に仙台市で行われた日本料理技能向上全国大会で文部科学大臣賞を受賞しました。桜井さんは、今年3月に行われた全国日本料理コンクールで経済産業大臣賞を受賞しており、1年のあいだに2度、大臣賞を受賞したことになります。
繊細な加工や味付け、空間の創造力などが求められる日本料理の腕前を競う「日本料理技能向上全国大会」で、料理人の桜井忍さん(39)=天童市東長岡4丁目=が文部科学大臣賞を受賞した。桜井さんはことし3月の全国コンクールでも大臣賞を受け、年間2度目の受賞となった。
桜井さんは料理の道に入って20年。天童温泉の天童荘で、林繁之調理長の下で研さんを積んでいる。技能向上全国大会は日本全職業調理士協会が主催し、10月22日に仙台市で開催。挑んだのは自由部門で、横幅2.4メートル、縦90センチのスペースにわん物、焼き物、煮物など10品ほどを並べた。厳選した器と食材の彩りの調和を図り、桜井さんが得意とする包丁による細工で、野菜などをイチョウやドングリに見立て季節感を演出した。「食材の断面からも包丁さばきの技量が評価される。緊張もあったが、空間や器の余白を大切にした」と大会を振り返る。
ことし3月には全国日本料理コンクール(日本料理研究会主催)で経済産業大臣賞も受賞した。指導に当たる林調理長は「年間2度の大臣賞は前例が少なく、料理に向かう真面目な姿勢が結果につながった」とたたえた。桜井さんは「料理人の道にゴールはない。その日その日の料理と真剣に勝負し、腕を磨き続けたい」と語った。
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