さくらんぼのシーズンを前に、天童市の「天童化成」が開発したさくらんぼ自動選別機「ルーレット」が、県内外から注目されている記事が全国紙で紹介されました。
天童市のメーカー「天童化成」が開発した、サクランボを大きさごとに自動で仕分ける機械「ルーレット」が、県内の農家で活躍している。今年は長野、山梨など他県の農家でも使われ始め、出荷作業の効率アップが期待されている。
円盤状の機械には1.5センチ〜3.5センチ四方の正方形の穴が並ぶ。この穴にサクランボを一つずつ置くと、円盤が回るのに従って、サイズが適した穴に実が落ちていく。これにより、サクランボはM、L、2L、3Lの4種類に選別される。
「繁忙期だけ出荷作業を手伝いに来てくれる人でも、簡単に作業をできるように」という農家からの要望を受けて、社長の滝口好さん(72)が2010年に開発した。
滝口さんは08年、ミニトマトを仕分ける機械をもとに、ルーレットの前身となるモデルを製作した。ただ、ほぼ球体の形をしたミニトマトと異なり、サクランボは楕円形をしているため、実を置く角度によって誤差が生じるのが難点だった。
改良を重ねた結果、サクランボの軸を上にして置く方法を採ることで、計測時の誤差をなくすことができた。
従来、サクランボの仕分けは、定規のような器具を使って手作業で行われるのが一般的だったが、ルーレットを使えば時間を3分の1に短縮でき、効率は格段に向上するという。
また、サクランボの出荷作業は高齢者が携わることが多いため、様々な工夫を凝らしている。作業する人のペースに合わせて、円盤の回転速度を調整できるようにしたほか、持ち運びを簡単にするため重さを15キロに抑えた。座りながら作業ができるように機械の高さも50センチと低めに設定した。
滝口さんは「一見華やかに見えるサクランボ栽培だが、様々な苦労がある。機械によって、農家の負担を少しでも軽くできればうれしい」と話している。
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