成形合板の技術を日本で初めて活用し、高級家具の製作で知られる天童市の天童木工が、リオデジャネイロオリンピックで使われている卓球台の製造を請け負っていたことについて、地元山形テレビ(YTS)の夕方のニュースで紹介されました。
リオ五輪で県内企業 決戦の舞台 下から支える
- 前田拓哉 アナウンサー
- 続きまして、ブラジルで開催中のリオオリンピックで、卓球男子団体が見事銀メダルを獲得、女子は銅メダルを獲得しました。
- 塩原桜 アナウンサー
- その喜びの中に、実は高い技術力を誇る県内企業が関わっていました。
- 前田拓哉 アナウンサー
- 県内企業が関わっているものとは、卓球台の脚なんです。この脚をつくったのは、天童市が世界に誇る天童木工。天童木工が卓球台の製造元・三英から要請を受けたのは、2年半ほど前のことでした。
- 結城和男 天童木工取締役営業本部長
- 卓球のピンポン玉が動く軌跡ですね、放物線をイメージした卓球台をつくりたい、と。
- 前田拓哉 アナウンサー
- その言葉通り、卓球台の脚は曲線が交わり、放物線を描くデザインとなっています。この形の実現に、天童木工の持つ成形合板の技術が欠かせませんでした。成形合板とは、薄くスライスした木の板を重ね合わせ、さまざまな形を作りだす技術のことです。
- 結城和男 天童木工取締役営業本部長
- 振動をいかに抑えるか、その辺が1つの大きなポイントだったと思います。最初は、板厚が6センチということだったんですけれども、それでは振動が収まらないということで、板厚を9センチにしまして、脚を全体的に太くした、ということです。それで一応振動は収まったんですけれども、原設計のデザインとはちょっと外れた。
- 前田拓哉 アナウンサー
- 試行錯誤の結果、デザイン性も衝撃性能もクリアしたのが、8センチの厚さでした。
- 結城和男 天童木工取締役営業本部長
- 今回は非常にメダルラッシュで、非常にうれしい結果になりましたけれども、メダルが取れなかったら「台が悪いんじゃないか」ということで、それを非常に心配しておりました。
- 前田拓哉 アナウンサー
- また、三英によりますと、成形合板の材料に東日本大震災の被災地、岩手県宮古市のブナを使い、復興の願いを込めたということです。
- 結城和男 天童木工取締役営業本部長
- メダルを取ったというのも非常に良かったんですけれども、今までの卓球台と違うもんですから、そういった面で脚光を浴びたのが非常に良かったのかな、という風に思っております。
- 塩原桜 アナウンサー
- 卓球の試合自体も目が離せない熱い戦いになったんですが、そんな中でテレビを通してみていて「かっこいい卓球台だなぁ」と思っていたので、これが県内のものだというのは驚きですね。
- 前田拓哉 アナウンサー
- そうですね。そしてこちら見て下さい。これがオリンピックで使ったものと同様のものなんですが、三英ではですね、パラリンピックの卓球台も納入していまして、これはそのものなんですが、パラリンピック用のものでしたら、車いすがひっかからないように、ここ出っ張っている部分ですね、ここがぐうっと短くなっていて、しっかりとプレーできるようになっているということなんです。今後パラリンピックを見るときは、そちらにもぜひ注目してみてください。
- 前田拓哉 アナウンサー
- また、天童木工では、東京オリンピックにも何かしら関わっていきたい、と話していました。
- 塩原桜 アナウンサー
- 楽しみですね。
(YTS「ゴジダス」2016年8月18日より)
- (関連ページ)
- ■天童のニュース:天童木工
- http://www.ikechang.com/news/tendo-mokko.html
- ■天童木工:Rio2016オリンピックテーブル「Infinity 2016」(外部サイト)
- http://www.tendo-mokko.co.jp/info/?p=3618