ふるさと納税で全国トップクラスの山形県天童市が、新たなデザインの将棋駒を生み出す取り組みを始めました。
新たなデザインは、天童市の家具メーカー・天童木工が誇る成形合板の技術を活用したものを、山形県出身でフェラーリやJR東日本 E7/W7系北陸新幹線などのデザインを手がけた世界的デザイナーである奥山清行(おくやま きよゆき)氏にお願いしています。
天童市のふるさと納税では、「おまけ」として、ご希望の文字を名入れした将棋駒ストラップをプレゼントしています。これが大変好評で、将棋駒のうちの「彫り駒」の普及・拡大につながったことから、置き駒(飾り駒)を通して「書き駒」の普及を図り、技術の伝承につなげようという目的があります。
さて続いては、皆さん、将棋駒といえば、このような形を想像される方が非常に多いと思うんですね。でも、この概念を覆すかもしれない取り組みが、天童市で始まっているんです。
将棋の駒と言えばこの形、という時代はもう終わりになるかもしれませんよ。いま全く新しい将棋の駒をデザインしようというプロジェクトが動き出しています。しかも、それは話題の方法で行われているのです。
将棋の駒と言えば、一般的には五角形。しかし、将棋の街・天童が、その常識を打ち破るかもしれない将棋駒づくりに取り組み始めました。担当するのは…
デザインの担当は、山形新幹線やスポーツカー・フェラーリなどのデザインを手がけた世界的工業デザイナーの奥山清行さん率いるデザイン事務所「KEN OKUYAMA DESIGN」。そして、駒を製作するのは、成形合板という技術で世界的に高い評価を受けている天童木工という、まさに世界で活躍する両者が手を組んだビッグプロジェクトです。
奥山さんと天童木工は、以前も共同で商品を生み出しています。その時の作品、イス「ORIZURU」は、いまも人気の商品として販売されています。
この「ORIZURU」、とってもすわり心地がいいんです。奥山さんが代表を務める「KEN OKUYAMA DESIGN」と天童木工とのコラボレーションで、また新たな名品が生まれる、そんな予感がします。
天童市は、資金をふるさと納税で調達しようとしています。通常、ふるさと納税は寄附金の使い方が先に分かることはありませんが、今回は目的を明らかにして、インターネット上で資金を募るクラウドファンディングという手法を使っています。
今月1日から始まったクラウドファンディング、現在、寄附金はおよそ130万円。目標の1000万円に向けて、順調な滑り出しです。
どんな将棋の駒が誕生するのか、天童市では今年度内にデザインを決め、1年から2年以内の製品完成を目指すとしています。
将棋駒は一時期、生産量が非常に落ち込んだそうなんですよね。それでも、ふるさと納税の返礼品として人気になったおかげで、今は生産数が非常に上がってきているそうなんですよね。今回どんなデザインになるのか分かりませんが、この取り組みがまた話題になることで、将棋駒の、それこそ伝統工芸の継承というものにもね、いい影響があるといいなぁという風に思いますね。完成にはあと1、2年かかるということですが、楽しみに待ちたいと思います。
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