天童市の東北パイオニアEG株式会社が、トヨタ自動車グループのデンソーに売却されることが9月7日に発表されました。東北パイオニアEGは、天童市南部の王将工業団地にあり、パイオニア株式会社の子会社・東北パイオニア株式会社が株式を100%を有している、各種自動化生産設備や高精密流量計測装置の製造を行っている事業所です。
本体であるパイオニア株式会社の業績不振を補うために、稼ぎ頭の東北パイオニアEGを売却するという内容のようです。東芝が、業績不振のために半導体子会社を売却したことが思い出されました。
パイオニア(東京)は7日、生産工程の自動化システム(FA)事業を手掛ける孫会社「東北パイオニアEG」(EG、天童市)の全株式を、トヨタ自動車グループの部品大手デンソー(愛知県刈谷市)に売却すると発表した。株式譲渡日は12月1日の予定。EGの従業員(4月1日時点で297人)は引き継がれ、その後はデンソー傘下でFA事業を展開する。
パイオニアによると、売却額は109億円で、売却による利益は約33億円。パイオニアはEGの売却により、カーナビなど自動車向け機器事業に経営資源を集中する。EGの全株式は子会社の東北パイオニア(天童市)が所有している。
EGは1988(昭和63)年に設立。主に自動車業界をはじめ、電気・電子機器、医療、食品、半導体、ITなどさまざまな業界にオーダーメードの自動化生産設備などを提供している。2018年3月期には前期比2億400万円増の12億7400万円の純利益を計上していた。
デンソーによると、自社ではロボットを活用した自動化工程を手掛けており、FA関連ではEGと長年の取引があるという。デンソーは「両社が緊密に協業することで無駄を徹底的に省いたFAシステムを提案・提供し、ものづくり産業の発展に貢献していきたい」としている。
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