成形合板の技術を日本で初めて活用し、高級家具の製作で知られる山形県天童市の天童木工の製品が、2018年度グッドデザイン賞に選ばれました。受賞したのは、川上元美(かわかみ もとみ)氏がデザインしたアームチェア「STICK」で、「グッドデザイン大賞」など特別賞の候補になる「グッドデザイン・ベスト100」に選定されています。
天童木工では、10月10日に行われる2018年度グッドデザイン賞特別審査会 ベスト100プレゼンテーション公開審査に参加し、10月31日の「グッドデザイン大賞」等の発表を待つことになります。
日本デザイン振興会(東京)は3日、2018年度グッドデザイン賞を発表し、本県からは4件が選ばれた。このうち、天童木工(天童市)のアームチェア「STICK」は大賞など特別賞の候補となる「グッドデザイン・ベスト100」に入った。
STICKはつえの様な軽やかなフレームが特徴。部分的に厚みを変える高度な成形技術を用い、軽快な印象と強度を実現した。体に沿った座面、腰をしっかり固定するバックレストを備え快適に座れる。素材は杉圧密材、ホワイトビーチの2種類あり、使う場面により使い分けできる。審査では「素材と技術の使い方が秀逸」と評価された。
グッドデザイン賞には他に、長沢燃料商事(米沢市)の黒炭「やまが炭(たん)」、鈴木建築設計事務所(山形市)などのセミナールーム「東北大建築CLTモデル実証棟」、東北芸術工科大(同)の「コミュニティデザイン学科」の3件が入った。川西町産紅大豆の消費拡大に取り組んだカゴメ(名古屋市)の「農園応援 山形かわにし紅大豆」もベスト100入りしている。
やまが炭は米沢産ナラ材を使い、東北芸工大生と開発。火付きがよく、少量で高い火力が得られる。パッケージに雪が炭に変わる様子を描き、厳しい冬が良質な炭を生む特徴を表した。
CLT実証棟は東北大青葉山キャンパスに建て、新建材のCLT材の情報を発信し、木造建築の可能性を追求。宮城県CLT等普及推進協議会、佐藤総合計画(東京)と受賞した。
東北芸工大コミュニティデザイン学科は14年、コミュニティデザインの専門学科を日本で初めて設置。理論と実践を繰り返し、地域づくりのけん引役となる人材を育てている。
カゴメは優れた農産物を抽出した通販ブランド「農園応援」で川西町産紅大豆を採用し、煮豆や蒸し豆などのセットを商品化。消費拡大や栽培技術継承に取り組む住民を支えた。
今回は計4789件の応募があり、945社延べ1353件が受賞した。大賞、特別賞は10月31日に発表される。
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