山形県天童市の春の風物詩「人間将棋」がきょうから始まりました。暖冬で2月には雪がなくなり「今年の人間将棋は葉桜かなぁ〜」と思っていましたが、ちょうど桜が満開になり、青い空とあいまってとても見ごたえのあるイベントになりました。
1日目のきょうの「人間将棋」は、宮宗紫野(みやそう しの)女流二段×加藤結季愛(かとう ゆりあ)女流2級による女流棋士同士の対局で、三枚堂達也(さんまいどう たつや)六段が解説を務めます。
人間将棋の対局の前には、将棋代指しロボット「電王手一二さん」×天童選抜チームによる「子ども人間将棋」も開催されます。
将棋供養祭に臨む三枚堂達也(さんまいどう たつや)六段[左から2人目]
桜満開のなかの将棋供養祭
電王手一二さん(PONANZA)×小学生による「子ども人間将棋」
甲冑姿の武者を駒に見立てた「人間将棋」が20日、天童市の舞鶴山山頂で開幕した。駒役を小学生が務める「子ども版」では、代指しロボットが初登場。満開の桜の下に大勢の将棋ファンが集い、新たな妙味が加わった春の風物詩を楽しんだ。
メイン対局では、宮宗紫野女流二段(30)に加藤結季愛女流2級(16)が挑戦。14メートル×17メートルの盤上で、天童高と創学館高の生徒が扮する駒をぶつけ合った。勝負もさることながら、全ての駒を動かす“お約束”を果たせるかも見どころだ。「お主の名前は武将にピッタリじゃ」「喜ばそうと思っても気は抜かんぞ」といった掛け合いも楽しく観衆を引きつけた。
21日には最年少プロ棋士藤井聡太七段(16)の師匠杉本昌隆八段(50)のトークショーを開催。斎藤慎太郎王座(26)と三枚堂達也六段(25)が平成最終局を繰り広げた。
去年から始まった「子ども版」は連日開催に。初日は県内外から応募した40人が陣羽織を着て駒役を務め、初登場の代指しロボット「電王手一二さん」と共に注目を集めた。
日差しが強く、子どもたちは水分補給しながらの対局。大駒よりも出番が多く、取られにくい駒に人気があり「歩」の東京渋谷区・鳩森小6年の前後碧君(1)は「真ん中寄りなら長く生き残れそう」。女子の参加も年々増えており、山形二小5ねんお渡辺朝陽さん(10)は「ルールは知らないけど、漫画『3月のライオン』が好きなので出てみたかった」と話した。
2本のアームを動かして駒を指す電王手一二さん。名人に勝った実績を持つ将棋ソフト・PONANZAの指令を受けて器用にさばき、「取る」「成る」も速くて自在だ。
ロボットに対抗する指し手は、天童少年少女将棋教室に通う荒井有生君(9)=鈴川小4年=と高橋遥輝君(8)=天童南部小3年=のタッグ。二枚落ちながら果敢に攻めまくるロボットに押されて惜しくも敗れ、荒井君は「こんなにいい勝負ができると思わなかった」。高橋君は「自分の悪手で負けちゃったのが残念」と感想を話した。
電王手一二さんは、東北パイオニアEGを引き継いだデンソーFA山形が出展。21日には対局体験コーナーが開設される。同日の子ども人間将棋は、県内の児童が駒役を務める。
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