天童織田藩で財政難対策に取り組み、藩士に将棋駒製作を勧めた中老吉田大八(1832~68年)を広く知ってもらおうと、史実に基づいた映画「大八伝 天童を救った男。」の製作が進んでいる。地元のクリエーターが結集し、天童市民が監督や脚本、主演を手掛けた。新型コロナウイルス感染症の影響は心配されるが、完成試写会を6月18日に市内のイオンシネマ天童で開く予定だ。
大八は15歳で大目付となり、要職を歴任し67年に中老に昇格した。生活が苦しい藩士の救済策として駒製作を打ち出し、武士の内職を非難する声は「将棋は兵法戦術に通じ、武士の面目を傷付けるものではない」と一蹴。この救済策が天童が将棋駒の一大生産地となった由来とされる。
映画は、文書などの史料や史跡の映像、天童織田藩について対談形式の解説、芸人ミッチーチェンさんが大八役を務めた再現シーンで構成する。ミッチーさんは「天童の繁栄に欠かせない人を演じられて光栄。コメディー要素はないが、なぜ将棋文化が天童に根付いているか、よく分かる内容だ」と語った。
明治維新150周年記念として製作。実行委員会代表で脚本を書いた矢吹栄修さんは「天童を救うために命を懸けた優秀な人、大八を知ってほしい。(完成作品を見たら)天童を新たな視点で再発見できるのではないだろうか」と話す。
実行委員会は協賛企業・個人を今月末まで募集している。個人は5千円から、企業は1万円からで、金額によりDVDや試写会チケットの返礼がある。問い合わせは制作実行委員会事務局090(4046)7080。
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