部員不足により2021年度(令和3年度)から合同で練習を続けている天童市内の4つの中学野球部が、凸版印刷と日本体育大学が共同で研究を進めている「標準動作モデルを用いたループ型動作トレーニングシステム」を活用した実証実験に取り組んでいます。
合同クラブを組織して部活動に取り組んでいる天童市内4中学校の野球部が9日、デジタルを活用した練習システムの実証実験を始めた。国は情報通信技術(ICT)を生かして効率的に部活動を運営し、顧問を務める教員の負担軽減を図る取り組みを進めており、同クラブはこれに参画。初回テーマは打撃で、メンバーは基本動作の習得に生かしていた。
練習システムは、凸版印刷(東京)と日本体育大(同)が共同で開発を進めている「ループトレーニングシステム」。運動者の動きをタブレットで撮影し、手本として収録されている「標準動作モデル」と比較する。自分自身の動作を客観的に把握できるという。この日、天童一中で行われた練習には部員28人が参加し、同社社員から使い方を習いながら同システムを体験した。
天童二中2年の後藤冬磨(とうま)さん(13)は「低めを打つのが苦手。(見比べて)体が前に突っ込んでいるのがよく分かったので、修正できるようにしたい」と効果を実感していた。
同クラブの町田真裕(まさひろ)代表(56)は「このシステムがあれば、指導者不在の時にも部員だけで練習ができそうだ。生徒が自分で考え、問題を解決する力を育むこともできる」と期待を込めた。
今後、クラブでは投球や守備練習などにも同システムを活用し、よりシステムが向上するように、データ蓄積に貢献していくという。同社は野球に加え、バスケットボールや陸上など計12競技で手本動作を制作中で、来年4月の販売開始を目指している。
4校は県教育委員会の実践研究の一環で、部員不足への対応策として昨年度から合同クラブで活動している。
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