Jリーグが8月開幕・5月閉幕の秋春制への移行を検討していることについて、モンテディオ山形をはじめ雪国クラブのサポーターからは「雪国のことを考えていない!」と異論が噴出しています。モンテディオ山形では、「Jリーグのシーズン移行検討について、議論となる視点をお持ちの方」「建設的な意見交換をできる方」という条件のもと参加者を募り、意見交換会を開催しました。
Jリーグがシーズン移行案を検討していることについて、サッカーJ2・モンテディオ山形は8日、天童市の県総合運動公園でサポーター有志の話を聞く意見交換会を開いた。クラブ側は検討状況を説明。サポーターからは現状では降雪期でホーム開催ができない開幕戦を地元で開くことができると、期待する声もある一方、チームや選手、応援する側の負担が増えないか懸念する声もあった。
サポーターは県内各地から集まった約20人。クラブからは相田健太郎社長と運営や広報の担当者が参加した。現在は2月の開幕戦を含め4連戦をアウェーで戦っている。シーズン移行で12月中旬も試合が組まれるが、同月2週目から3月上旬の期間は、本県など降雪地域で試合を開催しないとリーグは示している。このため、1月の中断期間はあっても、冬季の遠征が6~7連戦に増えることが想定される。
「アウェー連戦が増えチーム、選手の負担が増えないか。応援に行くサポーターも大変だ」「雪が降る地域だけ不公平ではないか」。サポーターからはこのような質問や意見が出された。クラブ側は「1月の中断期間があり、選手たちは負担が大幅に増えるとは捉えていない」などと説明。サポーターの負担増や心情には理解を示した。
移行後は中断時期があるため全体の開催期間は短くなる。現在より平日の試合が増えることも予想される。観客数の減少とクラブの入場料収入減を懸念するサポーターの意見もあった。
一方、シーズンが移行した場合、新チーム始動時から、開幕前の最終調整まで地元で選手が過ごし、サポーターと一体感を持ち、開幕戦をホームで迎えることができるとの意見もあった。開幕やリーグ終盤にホーム連戦が増えるという利点もあるとされている。
ただシーズン移行案について「雪の中で試合することになると誤解している人もいる」「複雑でサポーターでも概要を理解していない人が多い」との指摘もあった。相田社長は「分かりやすい情報発信をリーグには要望している。サポーターや県民の声を伝え、最大限より良い条件を引き出したい」と答えた。
現在2月から12月まで開催しているリーグ戦を8月に開幕し、12月下旬~翌年1月末の中断期間を挟み、6月までとすることを検討している。欧州など世界の強豪リーグと同じ期間となり▽猛暑期の試合回避▽欧州リーグとの双方移籍と指導者交流の活発化―などによる日本サッカーの競技力向上が期待される。2023年から9月開幕となったアジア地域のクラブ対抗戦「アジア・チャンピオンズリーグ」(ACL)との親和性も高まる。Jリーグの大多数のクラブが利点については賛同している。最短で26年8月開幕の移行を検討しているが、課題を含め議論している段階だ。
Jリーグシーズン移行イメージ(山形新聞 掲載記事をもとに作成)
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