国が推し進める地方創生の手段の1つとして全国で動きが出てきている日本版DMO(Destination Management Organization)の設置について、山形市・天童市・上山市による組織が年度内に設立されることが決まりました。これは、4月27日にホテルメトロポリタン山形で行われた「山形・上山・天童三市連携観光地域づくり推進協議会」総会で議決されたものです。
今後は、国からの交付金1億円を活用し株式会社の設立を目指していきますが、JTBや日本旅行といった大手旅行会社では取り扱わない/取り扱えない魅力的な商品を企画・販売できるかどうかが大きな課題です。
山形・上山・天童三市連携観光地域づくり推進協議会(会長・佐藤孝弘山形市長)の総会が27日、山形市のメトロポリタン山形で開かれ、旅行商品の企画、販売などを手掛ける株式会社DMC(デスティネーション・マネジメント・カンパニー)を2016年度中に設立することを決めた。外国人旅行者の誘客では、小規模商店などに参加を募って一元的に免税手続きを行う「エリア免税店」の仕組みづくりも進める。
協議会は昨年12月に発足し、観光庁の「日本版DMO(観光地域づくり推進法人)候補」に登録。国の地方創生加速化交付金で1億円を受け、16年度が本格的なスタートとなる。
DMCは、地域観光団体や輸送事業者などが協力し、地元のネットワークがなければ企画が難しい仏閣での特別体験、隠れた名店の案内、二次交通の確保など、大手旅行会社と差別化した独自商品を企画、販売する。補助金に頼らない株式会社にすることで、手数料収入などで利益を確保 しながら、活動範囲を広げられるメリットがある。
免税事業は県内でも大規模商業施設や旅館ホテルで個別に取り組みが進んでいるが、お土産屋など個人商店では認可手続きや人員確保がネックとなっている。DMCが認可や決済手続き、商品発送などを一元的に担うことで、小規模店舗でも外国人買い物客の取り込みが容易になる。今後、参加店を募る。さらに、仙台空港から山形への直行バスの運行も目指す。
総会で佐藤市長は「地方創生で観光産業は大きな柱。地域が自ら稼ぐことが重要」と述べ、3市の特長を生かした連携を確認した。
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