天童市は本年度、住宅地に防災を重視した一時避難場所「中道公園」を整備する。かまどにもなるベンチ、ソーラー式照明灯、多目的シェルターに早変わりするあずまやなどを備えた先進的な避難空間。防災に特化した公園は2例目で、モデルケースとして広めていく方針だ。
場所はJAてんどう北久野本支所の跡地で、約3800平方メートル。住宅密集地の北久野本地区には、市地域防災計画で定めた人口当たりの一時雛場所の面積が確保できていない。東日本大震災後に住民のリスク意識が高まり、町内会から防災重視の公園整備の要望が出ていた。
市は2015年度、国の都市防災総合推進事業の採択を受け着手。JAから用地を購入するとともに、2カ年で整備することになった。総事業費は遊具を含め約2億2800万円。
L字型の空間に、LED照明灯のほか、停電時に活躍するソーラー式照明灯を設置。多目的広場のかまどベンチはその名の通り通常はベンチだが、台座を外すと2本の足の部分がかまどになる。災害用資機材を収納できるベンチもある。マンホールを開けると中からテントが出てきて、そのまま個室トイレが出来上がり。全体をシートで覆えば災害本部、着替え室や多目的シェルターになるあずまやも備える。
幼児や児童が楽しめるものだけでなく、腹筋や腰ひねりなど幅広い年代層が利用できる「健康遊具」も。これも全体にテントを張れる構造になっており、雨をしのいだり、更衣室にしたり活用できる。
防災に特化した公園は、同地区のひかり交流広場に次ぐ。断水の際、くみ取り式に切り替えられるよう巨大なピットを埋設したトイレは、他の広場でも改修を進めていく計画という。
17日に着工、年内の完成を目指す。
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