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天童のニュース(平成28年8月30日) (最終更新:2016年9月2日)

2016年8月30日(火) YTS、奨励会入会の渡邉東英さんを特集

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 8月3日・4日に山形県天童市で開催された全日本中学生選抜将棋選手権大会で見事優勝し、8月19日にはプロ棋士への登竜門である奨励会への入会を決めた渡辺東英(わたなべ はるひで)さんについて、地元・山形テレビ(YTS)が夕方のニュースで特集を組みました。

火曜ニュースイチオシ 夢はプロ 中学生棋士の挑戦

写真:渡辺東英くんを紹介するアナウンサー(YTSニュースより)

前田拓哉(まえだ たくや)アナウンサー
ここからは火曜ニュースイチオシ、きょうはイチオシのタイトルらしく、まさに今注目の少年にスポットを当てます。
河野行恵(こうの いくえ)アナウンサー
それが、こちらです。中山中1年の渡辺東英(わたなべ はるひで)君です。今月3日、4日に天童市で行われた大会で優勝し、中学生棋士日本一になりました。
前田拓哉(まえだ たくや)アナウンサー
将来の夢は「プロ棋士として活躍すること」と語る渡辺くんの、そのあとを追いました。
ナレーション
こちらが先日天童市で行われた全国中学生選抜将棋選手権大会の模様です。真剣な表情で対極に臨む渡辺くん。この大会で渡辺くんは、県勢として初めての優勝を果たし、将棋の中学生日本一に輝きました。周囲が喜びに包まれる中、当の本人はいたってクールでした。なぜなら渡辺くんは、すでに次の目標へと駒を進めていたからです。それは…「奨励会」。プロ棋士養成機関への入会です。

写真:将棋界のレベル(YTSニュースより)

ナレーション
奨励会はプロとアマチュアの間に存在する、若手棋士の登竜門で、会員の一番下となる6級ですら、アマチュア界ではトップレベルというつわものがそろう世界です。挑戦権は全国大会で上位入賞するなどした人にのみ与えられ、年間およそ60人が試験に臨みますが、合格者は20人ほど。渡辺くんも去年挑戦しましたが、失敗に終わっています。そして今年、大会から2週間後にリベンジの機会がやってきました。
渡辺東英くんの父
どうすか今の気分は?
渡辺東英くん
死にそう
渡辺東英くんの父
なに、死にそうって
渡辺東英くん
すごく緊張して

写真:奨励会試験に臨む渡辺東英くん(YTSニュースより)

ナレーション
天童市の大会優勝で、今回、1次試験は免除された渡辺くん。2次試験で奨励会会員3人と対局し、1勝でもあげることができれば合格です。その1局目、相手は奨励会の4級。誰にも負けないと、自分を奮い立たせ挑んだ対局でした。しかし、2時間半の熱戦も、あえなく敗れました。
渡辺東英くん
悩むところがあって、やっぱりそういうところが敗因だったのかな、と思います。(自分は)4級の力よりも、もっと上であって臨んでいたはずなんですけど、やっぱり、まだぜんぜんだなぁ、と思って。弱いな、って痛感した一局です。

写真:第1局終了後の渡辺東英くん(YTSニュースより)

ナレーション
気持ちを切り替えて2局目、相手は自分とおない年で入会したばかりの新人です。
渡辺東英くん
ここで勝たないと、受かったとしてもこれから大変になるな、と。ここでちゃんと決めないとダメかな、と思った。
ナレーション
攻めの将棋で徐々に相手を追い詰め、およそ1時間で勝負あり。みごと、奨励会への入会を決めました。入会試験から2日後、渡辺くんの姿は大蔵村の肘折温泉に。つかの間のリフレッシュ、と思いきや…。
渡辺東英くん
きょう将棋合宿なので、みんなでひたすら将棋指してます。

写真:将棋合宿に臨む渡辺東英くん(YTSニュースより)

ナレーション
日本将棋連盟天童支部が開いた合宿に参加し、将棋クラブに通う生徒たちとの対局に臨んでいました。渡辺くんの練習相手は、鶴岡高専2年の岡部怜央(おかべ れお)さんです。岡部さんは渡辺くんよりも1年早い、小学6年で奨励会に入会。現在は、奨励会最高位の3段で、プロ目前の実力者です。

写真:岡部怜央さん(YTSニュースより)

写真:対局に臨む渡辺東英くんと岡部怜央さん(YTSニュースより)

ナレーション
奨励会という実力者同士の戦いは接戦になるのかと思いきや…。わずか20分後…。
渡辺東英くん
「負けました」
岡部怜央さん
まぁ、まだまだこれからかな。コンピューター将棋っていま話題になっていて、最先端、そこの将棋をいま研究してるって話だったんですけれども、人間らしくない指し手っていうか、感じるときがあるんですけれども。

写真:対局後の渡辺東英くんと岡部怜央さん(YTSニュースより)

渡辺東英くん
全然力の差がありすぎて、勝負にならなかったですね。岡部さんみたいな人がいっぱいごろごろいると思うと、すごくもっとがんばんないと、努力しないとちょっとダメだな、と思いました。
ナレーション
現状では超えられない大きな壁。しかし、渡辺くんは成功者が一握りという厳しい勝負の世界に進むことを決めました。
渡辺東英くん
羽生先生のような将棋を指したいと子どものころから思っていました。あ、こどもっていうか、いまも子どもですけど、小さいころから。自分の決めた道だから、しっかり努力して自分の将棋、自分の納得のいく手を指せるように、これからもがんばりたいと思います。

写真:インタビューに答える渡辺東英くん(YTSニュースより)

前田拓哉 アナウンサー
取材にあたった熊沢記者です。熊沢さん、期待の少年が現れましたね。
熊沢記者
ほんとそうですよね。あらためて将棋界のピラミッドを用意したんですけども、渡辺くんが今回合格した奨励会、こちらはですね、将棋界の東大・京大とも言われるほど、ごく一部のエリートしか入れないんです。非常に狭き門なんですよ。そこに今回合格したとはいえ、この中にはたくさんの強者がいるわけなんですよね。そのなかの三段にいたのが、きょうのVTRにいた岡部さん、鶴岡高専2年の岡部さんなんですけれども、このトップ集団にいても、さらにこの上のプロになるには、年間上位4人でないとなれない。これまた非常に狭い門なんですね。
前田拓哉 アナウンサー
まだ道のりは遠そうなんですけれども、ほんとに頑張ってほしいですよね。
河野行恵 アナウンサー
渡辺くんももちろんなんですが、山形出身の岡部さん、この山形出身ふたりが名人戦という舞台で優勝を争う姿も見てみたいですよね。
前田拓哉 アナウンサー
きょうの「火曜ニュース イチオシ」は、この奨励会に見事合格した渡辺東英くんにスポットを当てました。
(YTSニュース「ゴジダス」山形新聞2016年8月30日より)
(関連ページ)
■天童のニュース:将棋
http://www.ikechang.com/news/news130.htm
■[2016.08.19] 渡邉東英さん、奨励会への入会が決定
http://www.ikechang.com/news/2016/news20160819.html

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