9. メコン川へ

9. メコン川へ

　なぜ天気予報ははずれるのだろう?　CNNのアジア地方のニュースによると、今日も雨のはずなのに。日本でのWWW(World Wide Web)による事前チェックでは3日間も「STORM」のはず。ところが、ホーチミンシティは3日間、快晴なのだ。

　ホーチミンから南西へ約70km、ミ・トー(美しい女性と言う意味)へ向かった。ミ・トーへ向かうバスから外を見ると、稲作地帯が広がっていた。田植えの真っ最中だったり、稲穂が風に揺れていたり、赤牛が放し飼いになっていたりと、とてものどかな風景。
　メコン川を20人乗りの船で渡った。メコン川は全長4,000ｋｍ、中国、ラオス、タイ、カンボジア、ベトナムからインドシナ海へと注いでいる大河である。中学生の時、初めて知ったあのメコン川にわたしはいるのだ!　水は泥水のように濁っていた。それは細かい粒子の土を運んでいるためで、決して汚れてはいない。
　メコンデルタの小さな島に着いてからは支流(運河）をボートで移動した。島は観光地であるが、ジャングルの様相を呈しており、マングローブが圧巻！　気分は最高!!　　多くのボートとすれ違うが、汗だくになりながら力強く漕ぎ続けるベトナム人のおばさん、おじさん、おねえさん、にいちゃん・・・すれ違う人はみんな笑顔だ。わたしが乗ったボートを漕いでいたおねえさんの足を見た。白くてぷよぷよしたわたしの足とは違う。日焼けしたその足は皮が厚く、彼女の人生の年輪を刻んでいる、そんな気がした。

	メコン川を渡っていると、椰子の木を積んだ船とすれ違った。船の先頭にはワニ除けの目ん玉がついているのだ。
	運河をボートで渡る。あまりにもいい気分。とろけそうな気分とはこのことである。もっとたくさんボートに乗っていたかったなあ。

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