吉村和夫（よしむら・かずお）山形市長は、山形市とその周辺市町の広域合併について、天童市を除いた2市2町で合併を目指す意向を示しました。

　山形市とその周辺に位置する3市2町では、以前から広域合併のはなしがあり、2000年（平成12年）2月に就任した吉村和夫（よしむら・かずお）山形市長は、各自治体の首長・議長と会談を持ったり住民アンケートをおこなうなど、広域合併を実現させる運動を進めてきました。そのアンケートで、ほとんどの自治体では合併に賛成する意見が過半数を超えたのですが、天童市では合併に反対する回答が過半数を超えました。また、遠藤登（えんどう・のぼる）天童市長も現段階では合併するつもりはない意向を公式にコメントしており、事実上は天童市以外の2市2町で合併を進めるような状況になっていました。

　1999年（平成11年）7月16日に公布・施行された改正合併特例法は、2005年（平成17年）3月31日までの時限法（期限を設けた法律）になっています。この合併特例法には財政的な「特典」が盛り込まれているため、山形市をはじめとした全国各地で市町村合併を目論んでいる自治体では、2005年までになんとか決着をつけなければならない状況にあります。このように残された時間が少ない中で、合併に反対している天童市を説得するのは困難と山形市では判断したのでしょう。

　天童市としても、今すぐ合併しなければならないような状況にあるとは思えませんので、まずは山形市とその他の自治体で先に合併してもらって、その後の様子を見てから合併するかどうかを判断しても良いように思います。

（関連ページ）

▼天童における広域合併

http://www.ikechang.com/merger/index.html

▼合併特例法の概要（自治省）

http://www.mha.go.jp/gapei/d4.html

▼改正合併特例法の主なポイント（自治省）

http://www.mha.go.jp/gapei/kaisei.html

　10月30日、総理府が管轄する委員会の1つ「地方分権推進委員会」がおこなわれ、徳島県知事や大学教授など有識者から意見を聞きました。その結果、四者に共通しているのは「合併しないと大変なことになる」「国を挙げて市町村合併に取り組むべき」ということでした。

　全国的なレベルで見れば、全国市町村3,229団体のうち人口が1万人未満の団体が1,531もあります。こういう現状を考えれば、早急に市町村合併を進めなければならないという国の事情も分かります。しかし、ただ山形県の場合はどうかといえばちょっと疑問です。特に天童市に関していえば、これから先は分かりませんが、現段階では早急に合併をしなければならないような危機的財政状況にあるとはいえないと思います。住民アンケートでも過半数の天童市民が合併に反対している状況を考えれば、1〜2年のあいだに行政も住民も合併に動くことはまずないのではないかと予想されます。

（関連ページ）

▼天童における広域合併

http://www.ikechang.com/merger/index.html

▼山形県内各市町村の人口（山形県庁）

http://www.pref.yamagata.jp/kt/toukei/kttk0009.html

▼地方分権推進委員会事務局（総理府）

http://www.sorifu.go.jp/intro/bunken.html

▼地方分権と地方政治（社民党北九州市本部）

http://www5a.biglobe.ne.jp/~sdpkitaq/tihouse01.htm